地縛霊―9― ページ9
土曜日の午前中
部活のためにこの日も俺は学校に向かっていた
いつもより人は少ないが、制服を着た生徒もちらほらといる
「げっ」
その中に、よく見知った顔もいた
俺はその人物と鉢合わせ、思わず顔を歪ませる
「人の顔見てそれは失礼なんじゃない?」
「なんでいんだよ、休みだろ」
「一応OGなんだから、いつ来たっていいでしょ」
姉貴は休みと言いつつ、普段の仕事着でいる
なんでいるのかは面倒だから敢えて聞かない事にした
「やっぱり新校舎は綺麗でいいよね。私もブレザー着て通いたかったなぁ」
「……もう用は済んだのかよ」
「あ、うん。今帰り。真は部活?」
「そうだけど」
「ふーん。たまには見学しようかな?」
「断る」
「そうですかー、残念。それじゃぁ、がんばってね」
そう言ってヒラヒラと手を振りながら姉貴は去って行った
俺もそのまま体育館へと足を進める
「お前ら知ってる?うちの学校に幽霊が出るって噂」
昼食を終え、午前中のハードな練習の疲れを癒している時、原がまた突拍子もない話題を振ってきた
"幽霊"と聞いて反射的にあいつの事を頭に浮かべる
「昔うちの学校で自_殺した女の子が、夜になると校内を彷徨ってるらしいぜ!」
「原ってその類の話好きだよな」
「いやいや俺が興味あるの美人だけだし。でも噂だとその女子の幽霊って可愛いらしいぜ?見てみたくね?」
古橋は相変わらず原の話には興味ないのか何も答えない
瀬戸は寝ていてそもそも話を聞いていない
唯一山崎だけが原の相手をしている
「くだらねー」
俺は一言だけそう言い、話を打ち切った
実際、幽霊なんてただの人間好きのお人好しで、怖さの欠片もないただのアホだ
そういえば、あいつの容姿はどうだっただろうか
ちゃんと観察した事がないが、一般人に比べれば……って、俺は何を考えている;;
「練習始めるぞ!」
その時、監督の掛け声が体育館に響き、一斉にみんなが動き出す
俺も考えるのをやめ、練習に集中することにした
55人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みかん(プロフ) - 五月雨雫さん» わぁぁコメントありがとうございます(´;ω;`)!!!完結後にも感想をいただき本当に嬉しいです(泣)おかげさまで私も作ってよかったと思えました!!またどこかでお会いできることを楽しみにしています(*‘∀‘) (2020年5月11日 9時) (レス) id: 7906a9a948 (このIDを非表示/違反報告)
五月雨雫(プロフ) - 全話読ませてもらいました!!凄く好みの感動系でなんと言ったら良いか…!作品、物凄く好きです。読者一意見として作ってくださってありがとうございます!! (2020年5月10日 8時) (レス) id: 603d70d68d (このIDを非表示/違反報告)
みかん(プロフ) - さくみさん» ご丁寧に返信までいただきありがとうございます(泣)感謝感激です(´;ω;`)これからも誰かに感動してもらえるような作品を作れるように励もうと思います!こちらこそありがとうございました(泣) (2019年11月20日 11時) (レス) id: 7906a9a948 (このIDを非表示/違反報告)
さくみ(プロフ) - こちらこそ本当に素敵な作品をありがとうございました。最後のお話で本当に感動で泣けました泣ありがとうございました!!! (2019年11月19日 23時) (レス) id: 7862236ae4 (このIDを非表示/違反報告)
みかん(プロフ) - さくみさん» あああぁぁああぁ(嬉し過ぎて語彙力が著しく低下しました)笑。コメントありがとうございます!!まさか、自分の作品で感動していただける日が来るとは……その事実に私も感動しました(泣)作ってよかったと思えました!!本当にありがとうございます!! (2019年11月19日 22時) (レス) id: 60ab1a28d9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:みかん | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/alice99101/
作成日時:2019年10月1日 17時