―6―双子の事情 ページ6
由「A、今日の昼休みは時間を空けといてくれる?」
『う、うん……』
教室まで無言だった由良は、別れ際にニッコリしてそう伝えると自身の教室へと戻って行った
「由良ちゃん、今日も綺麗だね」
「オーラが気品で溢れてるっていうかぁ!高嶺の花って感じだよね!」
どこからか由良を羨ましがる声が聞こえる
才色兼備とは、まさに彼女に当てはまる言葉だった
艶やかな長い黒髪と黒曜石のような瞳、成績優秀なのはもちろん、偉大な父と母から受け継いだ才能
それに加えおしとやかな性格。何をとっても彼女に欠点などない
由良もまた、赤司くんと同様入学早々話題になった一人だった
「ねぇねぇ、藍沢さんって赤司くんと付き合ってるの?」
「告白されたって本当?」
『えっと……付き合ってないけど……』
「そうなんだぁ」
それに比べ、私はなぜか友達がいない
だいたい話しかけられる時は連絡事項か、今みたいに興味本位で噂の事実確認をする時くらいだ
高校生になったら、がんばって新しい友達を作ろう!と意気込んでみたはいいものの……
入学式当日、式中に具合が悪くなった私は保健室に行き、そのまま風邪をこじらせ3日程学校を休んでしまった
そしたら私が登校する頃には既にグループはできていて、入る余地のない私は完全に出遅れてしまった
人並みのコミュニケーションは持ち合わせていると思うんだけどなぁ……
*
昼休み、由良に連れられると人気のない中庭までやって来た
由「噂、私の教室まで聞いたわよ。どういうことかしら」
『そ、それは……』
私は由良が苦手だ
由「私の知らない所で勝手な行動はしないでっていつも言っているでしょう?」
由良は私の私情に敏感に反応してくる
私はそれが嫌だった
でも由良は許してくれない
だって、昔から由良は……
由「私の可愛い可愛いAたんが穢れちゃう!」
私への愛が重い
『A"たん"はやめいっ』
由「それで!?赤司がAに告白したって本当なの!?ねぇどういうことなの!?」
『ゆ、揺らさないで!は、吐く!吐くから!!』
私の肩をブンブン揺さぶる由良を落ち着かせると、由良はそのまま私の肩に顔を埋めた
由「Aの魅力に気付く人が現れるなんて……しかも、なんで赤司なの?Aは誰にも渡さない……私のお嫁に来てもらうんだから……」
『いや行かないけど』
由「A……いい匂い」
『嗅ぐな!!』
196人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「黒子のバスケ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みかん(プロフ) - ゆな子さん» まさか、知らないうちににゃんこ大戦争ネタが混じってたンスか!?((黄瀬風(笑)コメントありがとうございます!!ちゃんと可愛い赤司様になってたみたいで良かったです(泣) (2019年8月23日 11時) (レス) id: 7906a9a948 (このIDを非表示/違反報告)
ゆな子(プロフ) - 無性に『にゃんこ大戦争』を思い出したのだよ。((緑間風 赤司様様可愛いです// (2019年8月23日 10時) (レス) id: 590d5b732c (このIDを非表示/違反報告)
みかん(プロフ) - アンズさん» いつまでもリプ返す私もいけないんですけどwwおやすみなさい(^^) (2019年6月17日 23時) (レス) id: 316c9723b3 (このIDを非表示/違反報告)
アンズ(プロフ) - ありがとうございます!今度こそほんとに落ちますね(笑) (2019年6月17日 23時) (レス) id: 7c15717d35 (このIDを非表示/違反報告)
みかん(プロフ) - アンズさん» 夜分遅くにこちらこそありがとうございます!遊びに行かせていただきます(^^) (2019年6月17日 23時) (レス) id: 316c9723b3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:みかん | 作成日時:2019年5月9日 13時