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「そ、そうです、私です」
「やっぱりそうだね、おいで
もう授業は始まっているよ。」
いや、じゃあなんで貴方は
私の後ろにいるんですかと
心の中でツッコミつつ
何も変わらない
相変わらずの彼に安心した
「さあ、席に着いて授業を始めようか。」
授業中、私はひたすら授業をする
彼の姿を目に焼き付けていた
ちゃんと先生やってるんだなと
感動で思わず泣きそうになりながら、
「じゃあ、君、」
「…っえ？私ですか？」
ぼーっと彼を眺めていると
いつの間にか彼は私の目の前にいて
その距離の近さに思わず椅子から落ちそうになる
「おっと、大丈夫かい？」
落ちないように支えてくれた彼から
ふわっと香った甘い匂い
その匂いに胸が締め付けられて
私は思わずその腕を掴んだ
「…あ、ごめんなさい」
彼は私の目を見るなり一瞬固まっていたが
直ぐにくたびれた笑みを浮かべ
何事も無かったかのように授業に戻る
普通の、関係に戻っただけなのに
どうしてこんなに胸が痛いのだろう
自分が選択した結末なのに
どうしてこんなに泣きたくなるのだろう
彼が私を見る目は
もう以前のような目ではなくて
ただの、生徒を見る目で
分かっていたけれど
それが何だか苦しかった
私にとって、どれだけ
彼の存在が大きかったのか
その事実をこの胸の痛みが
嫌という程教えてくれる
彼が居ないと駄目なのは私の方だった
彼に居て欲しいのは私の方だった
でも、そんな彼を突き放したのは私だ
別の人と幸せになるように
そう仕向けたのも私だ
「さっきから、
ぼーっとしてるみたいだけど大丈夫？」
いつの間にか授業は終わっていて
私の周りには誰もいなかった
心配そうに顔を覗き込んでくる彼に頷くと
私は慌てて席を立つ
「ご、ごめんなさい
あの、大丈夫です」
彼に背を向けようとしたその時
急に腕を掴まれた
驚いて振り向けば
慌てた様子で腕を離す彼
「…先生？」
「その、お茶でも、どうかな…。」
初めて、彼に声を掛けられた
あの日の事を思い出す
「喜んで」
私の言葉ににっこりと微笑んだ彼の顔が
あの日の彼の顔と重なった
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usagi(プロフ) - 弐七さん» 有難う御座います、凄く嬉しいです。是非、最後まで楽しんでいただければと思います：) (2019年12月8日 12時) (
レス) id: 569eb0a44e (このIDを非表示/違反報告)
弐七(プロフ) - あーーー！！！もう！！このシリーズ読んで何回泣いたんでしょうか…。もう、もう、言葉が出ないほど甘くて、切なくて、二度ほど読むのを止めたくらいです（笑）。でも本当に心がぐっと掴まれる作品だと思います。最終章楽しみです。もう待ちきれません。 (2019年12月6日 22時) (レス) id: c70bc84ad6 (このIDを非表示/違反報告)
usagi(プロフ) - エマさん» 有難う御座います、次の更新は12月の中旬になってしまいますが実習を無事に終えて必ず戻ってきますので！二人の結末を最後まで見届けて頂けると嬉しいです：) (2019年12月1日 15時) (レス) id: 569eb0a44e (このIDを非表示/違反報告)
usagi(プロフ) - 梨音さん» コメント有難う御座います、2人の結末がどうなるのか、一緒にしっかりと見届けましょう！ (2019年12月1日 15時) (レス) id: 569eb0a44e (このIDを非表示/違反報告)
usagi(プロフ) - no nonさん» いつも有難う御座います！二人がどんな結末を迎えるのか、最後まで見届けて頂けると嬉しいです：) (2019年12月1日 15時) (レス) id: 569eb0a44e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：usagi | 作成日時：2019年11月26日 22時
