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校長室からの帰り道、
私はふと空を見上げた
デネブ、アルタイル、ベガ、
と、3つの星を指でなぞり
両手で作った三角形を星に向かってかざしてみる
「ずっと、傍に居られたらいいのにな」
胸がぎゅっと苦しくなり
目から涙が零れ落ちる
もしも私が自分に残された時間を知らなければ
何も考えずにこの星空を眺めたのだろうか
星に願いを、込めたりしたのだろうか
「.......パトローナス？」
目の前を駆けていく銀白色で半透明の狼
これは＿＿＿
実体のある守護霊を
作り上げることができるのは
優れた魔法使いの証だ
彼の作りだした狼は私の周りを
何度か駆け回ると
そのまま何処かへ消えて行った
私はどうしても
部屋に戻る気にならなかったので
中庭のベンチに腰掛けて
ぼーっと星を眺めることにした
暫くそうしていると
突然視界が真っ暗になり
甘い匂いが鼻を掠める
「.......リー、マス？」
「.......あたり、よく分かったね。」
やっぱり、と後ろを振り返れば
嬉しそうな顔の彼が立っていて
「やっと見つけたよ、
君をずっと探していたんだ。」
「だからパトローナスを？」
私の言葉に彼はにっこりと微笑む
彼は他人の前では態と実体を作らなかった
それはパトローナスが狼だということを
誰にも知られたくないからであって、
「貴方は本当に優秀な魔法使いね」
「急にどうしたんだい？」
「私、貴方の恋人になれて本当に幸せ」
自然と、口から出た言葉
嗚呼こんなこと言ってはいけないのに
彼から離れようと決めたばかりなのに
「私に君のような人は勿体ないよ…
だけど、君は私を選んでくれた。」
「貴方だから、選んだの」
誰よりも優しくて、
人のことを気遣えて
そして何よりも貴方は
''人の最も良いところを引き出す能力がある''
星を見上げるその横顔に
やっと引っ込めていた涙が
再び溢れそうになる
あと、どのくらいで
この横顔を見られなくなるのだろう
あと、どのくらいで
私は彼に触れられなくなるのだろう
考えていたら急に怖くなって
隣に腰掛ける彼の腕を掴んだ
彼は星に向けていた視線を私へと落とす
「.......泣いてるのかい？」
「ま、さか、そんなわけ、」
「よしよし、大丈夫だから。」
彼は何も聞かずに
ただ優しく私の身体を抱きしめてくれた
背中を行き来する手が心地良い
あーした、てんきに、なーれ
空を流れ落ちていく星に、
私は心の中でそう願った
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usagi(プロフ) - 弐七さん» 有難う御座います、凄く嬉しいです。是非、最後まで楽しんでいただければと思います：) (2019年12月8日 12時) (
レス) id: 569eb0a44e (このIDを非表示/違反報告)
弐七(プロフ) - あーーー！！！もう！！このシリーズ読んで何回泣いたんでしょうか…。もう、もう、言葉が出ないほど甘くて、切なくて、二度ほど読むのを止めたくらいです（笑）。でも本当に心がぐっと掴まれる作品だと思います。最終章楽しみです。もう待ちきれません。 (2019年12月6日 22時) (レス) id: c70bc84ad6 (このIDを非表示/違反報告)
usagi(プロフ) - エマさん» 有難う御座います、次の更新は12月の中旬になってしまいますが実習を無事に終えて必ず戻ってきますので！二人の結末を最後まで見届けて頂けると嬉しいです：) (2019年12月1日 15時) (レス) id: 569eb0a44e (このIDを非表示/違反報告)
usagi(プロフ) - 梨音さん» コメント有難う御座います、2人の結末がどうなるのか、一緒にしっかりと見届けましょう！ (2019年12月1日 15時) (レス) id: 569eb0a44e (このIDを非表示/違反報告)
usagi(プロフ) - no nonさん» いつも有難う御座います！二人がどんな結末を迎えるのか、最後まで見届けて頂けると嬉しいです：) (2019年12月1日 15時) (レス) id: 569eb0a44e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：usagi | 作成日時：2019年11月26日 22時
