10年愛〜＊sho.hirano＊〜

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途中で2日も休んでしまったから週末はあっという間に来てしまい申し訳無い気もするけどいつもの連休に何をしようか考えながら帰途に着いていた




今までは紫耀が来るかもしれないからあまりアクティブに過ごす事も無かったけど家に居たらまた一日中考え込んでしまいそうだから


土曜日は部屋掃除したり1週間分の買い出ししたりやる事やって日曜日は朝早くから電車に乗りお隣の県の海までやって来た


『気持ちいぃ〜！』



まだ初夏の時期だけど天気も良くて意外と人が多かった


周りは家族連れかカップルばっかりもちろん1人で来てる奴なんかいない、、



(別に気になんないもーん)



砂浜を少し散歩しながら目的の水族館へ



外は気温も上がり始めて蒸し暑かったから中に入るとひんやりとして気持ちいい


ブラブラと回りながら1番大きな水槽の前にあるベンチへ腰掛けた



(キレイだなぁ…)



自由気ままに泳ぐ色とりどりの魚達をぼんやり眺めながらただただぼーっとしていた




毎日、仕事に終われ彼氏でもない男に振り回されてこんな風に何にも考えずにいる時間なんて全く無かった




当たり前だけどあれから紫耀から連絡は一切無い



LINEも消してしまおうかと思ったけどまだスーツもうちにあるし、、紫耀の部屋着や私物が溢れていてそれを返さない訳にいかないから…と言い訳して消せない自分がホント嫌んなる



(未練がましいなぁ…)



目の前を手を繋ぎ通り過ぎていくカップルに走り回る子供を窘めて腕を組んで歩く夫婦



みんな幸せそう、、、



(あぁーあ私もお魚さんだったら何にも考えないでつがいを見つけられるのにな)




青い光が溢れる水槽を撮り岸にLINEした



俺を頼れって言ってくれたから暇な時はくだらないLINEをちょこちょこするようにしてる




秒殺で既読がつき




《どこいんの？》




《水族館》



《どこの？》



《隣の県の》


《1人？》



《悪い？》



《迎え行く》


『え…？』思いがけない返事に思わず声が出てしまった



《子供じゃないんだから1人で帰れるよ。》



慌てて返信しても急に既読がつかなくなった




未読スルーとか、、マジ勘弁してよ…



迎えに来ると言われてしまったので勝手に帰るわけにも行かず立ち上がると水族館の中をまたブラブラ歩きイルカショーを見て1人でキャッキャッ騒ぎ(周りから見たらかなりイタイ女だと思う、、)



外へ出ると日が落ち始めていた

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