ストーカー編16 ページ15
玲奈の事件はテレビや新聞にも載ったが次から次へと起こる事件に直ぐに埋もれて行った
人々の記憶からも消え日常を取り戻したある日
カランカラン
｢いっらっしゃいませ｣
｢お久しぶりです･･･｣
｢あぁ･･･あの時のお嬢さん｣
｢私の事分かるんですか？1度しかお会いしてないのに･･･｣
｢記憶力には自信があるんですよ。紫耀なら今日は出てますが･･･｣
｢あっ、いえ今日は普通に珈琲を頂きに来ました｣
｢そうですか。ではこちらへどうぞ｣
案内されたカウンターへ座りマスターが珈琲を玲奈の前へ置いた
｢ありがとうございます。あの･･･ちょっと聞いてもいいですか？あの2人のこと｣
｢2人って紫耀と廉の事かな？｣
｢はい･･･廉さんの秘密についても･･･｣
｢どうして？廉の事を知ったらなら紫耀に脅されたんじゃないか？｣
｢わかりません･･･ただ、あの2人がすごくお互いを必要としてるのはわかるんです、けど何か危ういものを感じて･･･私には関係ないんですけどね｣
｢そうか･･･私に答えられることなら答えるよ｣
｢まず、平野さんのことを･･･｣
｢紫耀は幼い頃に両親を亡くし養護施設で育ったんだ。施設長が本当に良い人で子供たちはみんな本当の父親のように慕っていた。親を亡くし塞ぎ込んでいた紫耀も施設長にだけは心を許していた｣
｢だけど･･･紫耀が12の時に何者かが施設に火をつけて施設長も子供たちも何人か犠牲になった。放火が原因なのはわかっているが犯人は今だに捕まっていない｣
｢何となく覚えてます･･･その事件。私も同じくらいの歳だったから｣
｢警察は無差別的な犯行だとみていたが･･･当時の紫耀は施設長は殺されたんだと言っていた｣
｢どうゆう事ですか･･･｣
｢火をつけられる前、犯人に刺される所を見てしまったんだ。しかし遺体の損傷が激しく刺された事が断定できず子供の思い違いとして相手にして貰えなかった｣
｢じゃあ･･･｣
｢施設長は殺された。その犯人を紫耀は今でも追っている｣
｢─────。｣
言葉にならなかったあの昏い瞳に何かあるのは分かっていたけど自分の想像を遥かに超える過去に言葉を失う
両親を亡くした彼が親代わりに信じてた人を目の前で失う悲しみは計り知れない
｢まだ聞くかい？｣
知らぬ間に震えていた両手でコーヒーカップを掴み1口飲むと
｢はい･･･｣
と、マスターの目を見て伝えた
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Riho(プロフ) - はじめまして！お話すごい面白かったです！これからどう展開してくのか凄く気になります！これからも更新楽しみにしてます！ (2020年2月22日 2時) (
レス) id: df3c910baa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Alice
| 作成日時：2020年2月20日 21時
