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グルッペンは面食らったような顔をする。
gr「いや…そろそろ帰るか。それじゃあ、トントン先生。楽器の件でまた来ます」
tn「もちろんです。いつでもお待ちしてますので」
あの男の言葉がすっと耳に入ることはなく、蜘蛛の巣のようなものに引っかかって、羽音を鳴らして耳のそばを飛んでいた。
***
gr「はあ？なんやねん急に。学校に修理行くのやめるってどういうこと？」
意を決して伝えた言葉は、やっぱりというか当然というか、壁に阻まれてしまった。
「あの学校にはもう行かない。…行きたくないんです」
gr「いきなりどうしたん？」
グルッペンの赤い瞳から目を逸らす。
gr「理由は？社会人なんやから、ちゃんと説明した方がいい」
私の要望はともかく、理由だけは聞いてくれるようだ。
「…あんまりリペアとか得意じゃないし、この前も実は学校の楽器を傷つけてしまって」
とはいえ、馬鹿正直に「トントンという男が嫌だから行きたくない」とは言えない。そのため、始末書を提出した時の話を出した。
「前の学期でテナーサックスを壊しちゃって…始末書も送ったと思うけど」
gr「あったな、そういえば。でも、その件は俺も一緒に謝罪に行って、先方からは特に何も言われなかった。むしろ、これからも来てほしいと前向きな意見もらったやろ？Aも良かったって言うとったな」
「…でも、自信無くしたんです」
彼は私の目をじっと見て、溜息を一つ吐く。
gr「分かった…。上にも一応かけあってはみる。ただ、すぐに行くのやめるってことはできひんからな？定期的に行くようには、」
「グルッペンさんも来てくださいません？それなら、」
gr「俺も忙しいから毎回は無理やろ…それに俺は関係ないやろ」
冷たく言い放つが、彼の言うことは正しい。
gr「後任はとりあえず探しておくけど、期待はせんといてな？こっちも人が足りんから」
パイプ椅子から立ち上がり、彼は店の外に停めてあった社用車に乗って本部へと戻って行った。
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Alex(プロフ) - ひすいさん» 感想本当にありがとうございます！すごく嬉しいです…！実習の時に何があったのかとか、tnのパスみなどが出てくると思いますので…少々お待ちくださいませ！ (2022年9月24日 22時) (
レス) id: 130555b457 (このIDを非表示/違反報告)
ひすい(プロフ) - 今回の作品も学校、部活動から得られる青春の感じも勿論あるのですがその中に不気味で真っ暗な穴の底を覗こうとしているような気持ちが湧き上がってきて、教育実習の時に2人の間になにがあって事件に繋がったんだろう、など色々考えてしまって今から続きが楽しみです (2022年9月24日 2時) (レス) id: 85256ab897 (このIDを非表示/違反報告)
ひすい(プロフ) - 新作、今気づいて拝読させて頂いたんですがとてもゾッとしました。Alexさんの作品で初めて読んだのは「魔女集会で会えたら」シリーズだったのですが、その時からAlexさんの書かれる空気感がすごく大好きで魔女集会シリーズはよく見返しています。 (2022年9月24日 2時) (レス) @page1 id: 85256ab897 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Alex
| 作者ホームページ：http://nanos.jp/xxdreamxxalex02/
作成日時：2022年2月13日 21時
