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「こんばんはー」
「こんばんはっ♪」
「閉店ですよ」
「普通に開いてますやん」
いつも通りの遣り取りをしながら、閑散とした店に入って行く。
閑散つか、オレらしか客おれへんし。
「いっつも暇ですね」
「お前らが来る時だけじゃ」
「ほんまですか？見た事ないですけど？」
「お前らが帰ったら雪崩みたいに客が湧きよんねん」
「お前らが貧乏神なんちゃうんか！？」
「あ、ヤスくん届く？」
「うん、だいじょうぶ♪」
「またシカトか！！大倉お前は！！」
オレで丁度いい高さのカウンターが造られた落ち着いた雰囲気のバー。
店の雰囲気は完璧なのに、やってる人間が伴ってへんよなっていっつも思う。
「渋谷さんもちっちゃいのに何でこんなカウンター高いんすか」
「ヤスくん、落ちてまうやんなあ？」
「落ちひんし！ここしがみついてるから落ちひんよ！」
「大丈夫やで？落ちそうなったら抱き上げたるからね？」
「たちゅ、優しい♪」
「ご注文はー？？？？」
オレらの空気も何も読まん渋谷さんが無遠慮に大声を張り上げる。
ほんまようこれで接客業とか出来るわ、この人。
まぁでもオレらがこうやって付きおうてるの知ってても、偏見の目ぇとかで見ぃひんし。
ほんまはむっちゃええ人なんかもしれへん。
まだそのええ人ってとこ、見た事無いけど。
「ヤスくんどうする？何飲む？」
「ビールがいい♪」
「ビール二つ下さい」
「もっと高いの飲みいな」
「ビール、二つ」
「カンジ悪いなあ、大倉」
「アナタには言われたないです」
ブツブツ言いながらサーバーまでビールを淹れに行く渋谷さん。
とにかくこの人は変わってはる。
変わってる以外、渋谷さんを表すコトバを僕は知れへん。
髪型もヘンやし、服装もヘンやし。
中身はあんなんやし。
「あ、たちゅ？」
「んー？どしたん？」
「あんな？こないだな、これ見つけてん」
ガサガサ自分のバッグの中を引っ掻き回して何か探してるヤスくん。
どこ行ったんやろー？って言いながら一生懸命なヤスくんをカウンターに肘をついてじっと見つめる。
ほんま、同じちっちゃいのんでも大違いやな。
オレのヤスくんはこんな小動物みたいで可愛いのに。
目の前のちっちゃいのは、おいでーって手ぇ出したら噛み付きそうやもんな。
怖いわ、この人(笑)
「あったー♪これこれ」
ヤスくんのバッグから出てきた紙袋。
嬉しそうにじーっとニコニコして見てるって事は、これオレにくれるんかな？
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ろっく(プロフ) - 描写がリアルです。流石です。何が流石なのか私もイマイチ分かりませんが流石です。ファンですファン！！ファン！！！ (2017年6月9日 20時) (
レス) id: 330e515566 (このIDを非表示/違反報告)
風子(プロフ) - はじめまして。あれ貴族さんの大ファンです。ねるねるねるねを日本酒で作るのにハマっている腐った乙女（おっさん）でございます。どうぞ宜しく (2015年5月17日 10時) (レス) id: 1e1b7842b3 (このIDを非表示/違反報告)
あれ貴族(プロフ) - きっくさん» なんかフラっとココに来たらきっくさんからのコメが！！知らなかった！気付かなかった！！(笑）つか、フラグしかないよ(笑) (2014年4月25日 12時) (レス) id: be6d446115 (このIDを非表示/違反報告)
きっく(プロフ) - あれ貴族さんはR18の作品を書いておられたんですね！家族が寝てるのに夜中からﾋｨｰﾋｨｰしておりました私(笑)タバコを思わずフフォって口から吐くくらい突然の笑いのやり取り。やっぱりセンスありまくりですあれ貴族さん！＼(^o^)／ (2014年3月21日 2時) (レス) id: d8d74fe759 (このIDを非表示/違反報告)
あれ貴族(プロフ) - ！さん» はじめまして（ぺこりん）ヤスくんは可愛らしいんですけどね。可愛らしいからこそのえげつなさ、そこからのオトナの感覚？(笑)解らないとは思いますがﾖﾛｼｸﾄﾞｰｿﾞ(笑) (2013年10月20日 3時) (レス) id: 897a8b5ed3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あれ貴族
| 作者ホームページ：http://id17.fm-p.jp/316/lovelyalex/
作成日時：2013年3月25日 18時
