eight■14 ページ14
「おーくら？」
「・・・・・・」
「おーい」
「おーい？」
「・・・・・・」
「何ボケとんじゃ！！このボン倉！！」
「ボン倉ちゃう！！！」
「ボン倉ちゃうな、エロ倉やもんな(笑)」
「・・・・・・」
片付けが終わったんか何か知らんけど、いつの間にか隣にまた座って頬杖つきながらニヤニヤ笑って見られてた。
むっちゃ人の顔見てニヤけてはる。
あんな事しといて、何も無かったみたいに。
「これ、ケータイ」
「・・・あ、すんません」
テーブルの上に差し出されたヤスくんのケータイ。
ドクン、って心臓が跳ね上がる。
その心臓が跳ね上がった理由が、ヤスくんのケータイを見た後ろめたさからなんか。
それともそのケータイを掴もうとした手を、渋谷さんが握ったからなんか。
オレには、解れへんかった。
「帰ろか」
「あ、はい」
椅子から降りて、忘れ物あれへんかなってテーブルの上見たら。
背の高い椅子に座ってる渋谷さんの視線が、オレより少しだけ高い事に気付いた。
「お、大倉よかデカいやん♪」
「それでもちょっとだけですやん」
「ちょっとでもええねん」
「だってな？」
「おんなじぐらいやったら、こうやって出来るやろ？」
さっきみたいに掴むんやのうて。
ゆっくり上がった渋谷さんの片手が、ふわっとオレのほっぺを包み込む。
もう一つの手も、ふわっと反対のほっぺを包み込む。
そのまま、ぎゅうっと。
抱き締められる。
何でこんな黙って抱き締められてるんやろ。
何でこんなじっと抱き締められてるんやろ。
何でこんな。
ド○○キすんねんやろ。
「大倉？」
「・・・・・・」
「・・・まぁ、ええわ」
「よう聞いとき」
「・・・・・・」
「俺な、お前の事好きやねん」
「ごめんな」
「ごめんな、大倉」
「でもな、どないしようもないねん」
「お前の事好きやって想うキモチな？」
「どうないしようも、ないねん」
こうやって立ってる時に抱き締められた事て無いから。
アタマまでぎゅって抱き締められた事、無いから。
せやからこんなにド○○キすんねん。
好きやって言われたからとちゃう。
こんな静かに言われてるからとちゃう。
こないな渋谷さんて初めて見るからとちゃう。
震えとんは、ココロやない。
渋谷さんのコトバで、震えとるんやない。
ぎゅっと抱き締められてたんを少しだけ離されて。
じっとオレを見る渋谷さんの目が、妙に静かやなって思った。
「好きやねん」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 353人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「関ジャニ∞」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ろっく(プロフ) - 描写がリアルです。流石です。何が流石なのか私もイマイチ分かりませんが流石です。ファンですファン！！ファン！！！ (2017年6月9日 20時) (
レス) id: 330e515566 (このIDを非表示/違反報告)
風子(プロフ) - はじめまして。あれ貴族さんの大ファンです。ねるねるねるねを日本酒で作るのにハマっている腐った乙女（おっさん）でございます。どうぞ宜しく (2015年5月17日 10時) (レス) id: 1e1b7842b3 (このIDを非表示/違反報告)
あれ貴族(プロフ) - きっくさん» なんかフラっとココに来たらきっくさんからのコメが！！知らなかった！気付かなかった！！(笑）つか、フラグしかないよ(笑) (2014年4月25日 12時) (レス) id: be6d446115 (このIDを非表示/違反報告)
きっく(プロフ) - あれ貴族さんはR18の作品を書いておられたんですね！家族が寝てるのに夜中からﾋｨｰﾋｨｰしておりました私(笑)タバコを思わずフフォって口から吐くくらい突然の笑いのやり取り。やっぱりセンスありまくりですあれ貴族さん！＼(^o^)／ (2014年3月21日 2時) (レス) id: d8d74fe759 (このIDを非表示/違反報告)
あれ貴族(プロフ) - ！さん» はじめまして（ぺこりん）ヤスくんは可愛らしいんですけどね。可愛らしいからこそのえげつなさ、そこからのオトナの感覚？(笑)解らないとは思いますがﾖﾛｼｸﾄﾞｰｿﾞ(笑) (2013年10月20日 3時) (レス) id: 897a8b5ed3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あれ貴族
| 作者ホームページ：http://id17.fm-p.jp/316/lovelyalex/
作成日時：2013年3月25日 18時
