2BRO.〈言の音〉

待ち時間(弟者) ページ30

ーーーいつだって貴方を夢中にさせるのはーーー



「・・・弟者、聞いてる？」

「んー？」

私の定位置である彼のベットに腰掛け、目の前のフローリングに胡座をかいてゲームをする幼馴染の彼に問い掛けるも返って来る言葉はいつも生返事ばかり。今日だって遊びに来ている私を放って置いて一心不乱に新作ゲームをプレイしている。ゲームをしない時はちゃんと言葉を返してくれるのだが、ゲームに集中してしまうと話は別だ。返事はするが聞いている様で私の話した内容など全く覚えていない。それならばと、最初の頃は私も興味を示して一緒に画面を見てゲームの話をしていたが月日が流れ、同じルーティンに慣れと言うものを覚えてしまった。・・・ようするに飽きたのだ。


「・・・さっさとやられてしまえ」

「えー、酷くないー？」


脳の構造上、一度に複数の事をこなせる女性に比べて男性は１つのことに集中するとそれしか考えられないと言うから仕方が無いのかも知れないが、私がボソッと呟いた悪口はちゃんと聞いているのだから余計に腹が立つ。


「こんな所でやられるワタシではないわ！とうっ！」

「あ、フラグ立ったな」


神様、仏様、どうかこの調子に乗ってる彼にフラグ回収と言う名の天罰を与えて下さい。




【NEXT】

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