好きな人(おついち) ページ28
ーーー当たり前が憎たらしくてーーー
僕と彼女は所謂幼馴染と言う関係で、お互いに大人になって仕事をしている今でも互いの家を行き来する仲の良さだと自負している。何でも話せるし、平気でお互いの部屋に寝泊まりだってする。それが当たり前だったし、だから彼女に好意を寄せるのも至極当然な自然の流れだった。そんなある日彼女から相談があると言われ、仕事終わりの金曜日に僕の部屋でお酒を飲みながら話を聞いたのがそもそもの間違いだった。
「私、弟者君が好きかも」
缶チューハイを何本か空け、僕のベッドに腰掛けたほろ酔いの彼女が少し照れ臭そうにそう呟いた。
「・・・へぇ」
卓上机を挟んで彼女の正面のフローリングで胡座を掻きながら飲んでいた僕は一言だけそう呟き返した。上手く微笑んだつもりだがショックから動揺する心を表情に出ない様、僕は缶ビールに口を付けるフリをする。
「なんか弟みたいで可愛くてさー」
「まぁ、僕らの中では1番歳下だからね」
「そうそう、それでね。明日出掛ける約束したんだけど、何着ていけば良いと思う？」
どうやら相談事と言うのは明日のデートのお洋服選びらしい。落ち着かない心とは裏腹に、良かったねと僕は彼女に言葉を贈る。
「・・・あいつ、ああ見えて大人びた感じが好きだから、この間一緒に買い物に行った時に買った紺色のワンピース着て行けば良いじゃん」
正直、弟者の好みなんて知らないし今の僕としては知りたくもない。微笑みながら弟者に対して八つ当たりの言葉を心の中で述べ、僕は僕好みの彼女を仕立てる。
「あ、そっか。あれがあったね。おついちが選んでくれたワンピースだし、間違いないねー」
「そうだよ、あれ凄く似合ってたし」
僕が勝手にデートと浮かれて彼女に似合うと思って選んだワンピース。僕以外の男と出掛ける為に着て行かれるのはかなり癪だが、あのワンピースは彼女に良く似合っていた。
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アルバ - コメント有難うございます！殆ど自己満足みたいな文章で申し訳ない感じですが、そう言って頂けると嬉しいです！また温かいお言葉有難うございます( ´ ▽ ` )毎日猛暑ですが、ななしのゴンベイさんもお体に気を付けて下さいませ。 (2018年7月18日 23時) (
レス) id: 5ec2af47b2 (このIDを非表示/違反報告)
ななしのゴンベイ(プロフ) - 確りとした世界観と、読みごたえある文章に惚れ込みました。日々の癒しとして、これからも愛読させていただきます。日差しが厳しくなって参りましたが、お体には気をつけて執筆活動を楽しんでください。 (2018年7月18日 5時) (レス) id: 5d365d193a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アルバ | 作成日時：2018年6月19日 12時
