甘い賭事(兄者) ページ20
ーーーゲームしようぜ？ーーー
「なぁA。ゲームしようぜ？」
ソファに腰掛ける彼が食卓で珈琲を飲んでいる私に声を掛けた。
「嫌だよ、ゲームで兄者に勝てる訳ないじゃん」
「デジタルの方じゃなくてこっち」
そう言って嫌がる私に彼は片手に持っていたポッキーの箱を私に見せ付けた。
「・・・まさかとは思うけど、まさかよね？」
思い当たるゲーム名が浮かび、彼の性格からして有り得ない選択に私は戸惑った。そんな私の心境など露知らず彼はニヒルに笑って言った。
「流石俺の彼女、察しが良くて助かるわ」
「いや、今更な上新手の羞恥プレイみたいで嫌なんですけどっ！」
彼の言葉に己が考えていたものが肯定されたので私は全力で拒否を示した。そんな私に、彼は私の後方にある冷蔵庫の方を人差し指で指し、反対の手中にあるポッキーの箱の裏から最近人気のケーキ屋のスタンプカードを掲示した。
「因みに俺に買ったら冷蔵庫に入ってる数量限定ケーキ食って良いぞ」
「ふぁ？！あ、兄者、あれ買えたの！？」
信じられないと言う私に彼はニヤニヤ笑いながら勿論、とスタンプカードをヒラつかせた。お互い甘いもの好きだからこそ分かる、絶対に美味しいと言う保証付きのケーキが目の前にぶら下げられては断るに断れない。
「ど、どうやったら勝ちなんだっけ？」
了承と言う意味で私は大人しく彼の横に行き、ソファで向かい合う様に腰掛けた。
「両端から食べ進めて、先に口から離したり折ったりしたら負け」
そう言って彼はポッキーの封を切って中から一本取り出した。
「ケーキの為とは言え人生でこのゲームをする機会が訪れるとは・・・」
「良いから早く咥えろよ」
1人呟く私に既に端を咥えて準備万端の彼が急かす。仕方なく反対側を咥えて良いよ、と合図をした。
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アルバ - コメント有難うございます！殆ど自己満足みたいな文章で申し訳ない感じですが、そう言って頂けると嬉しいです！また温かいお言葉有難うございます( ´ ▽ ` )毎日猛暑ですが、ななしのゴンベイさんもお体に気を付けて下さいませ。 (2018年7月18日 23時) (
レス) id: 5ec2af47b2 (このIDを非表示/違反報告)
ななしのゴンベイ(プロフ) - 確りとした世界観と、読みごたえある文章に惚れ込みました。日々の癒しとして、これからも愛読させていただきます。日差しが厳しくなって参りましたが、お体には気をつけて執筆活動を楽しんでください。 (2018年7月18日 5時) (レス) id: 5d365d193a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アルバ | 作成日時：2018年6月19日 12時
