渇望(ダーク系おついち)※ ページ13
ーーー心も身体も愛してあげるーーー
唇にするキスは最も愛を感じやすく、唇が重なる度にストレスが解消されて心が満たされると言う。
じゃあこの心の底から湧き上がる嫉妬心はどうすれば満たされ、解消されるのだろうか。
間接照明に照らされた薄暗い部屋で厚いクッションが貼られた椅子に腰掛ける彼女。僕が彼女を想って選んだ深緑のワンピースは明暗で混ざり合い漆黒に変わっている。そんな彼女を眺めながら僕は部屋のドアを閉め、座っている彼女の前まで歩みを進めた。
「A」
椅子に座ったままの彼女の耳元に顔を近づけて名を囁き、綺麗にとかれた髪を手に取ってキスをする。
「おついちさん・・・」
少し緊張したような、強張った声で僕の名を呼ぶ彼女。しかしその瞳は黒いリボンで塞がれ僕を捉えることが出来ない。反射的に手を動かそうとしたものの彼女の両手首は椅子の肘掛部分にリボンで括り付けられている為椅子の軋む音だけが室内に響く。
「怖い？」
「怖くはない・・・ですけど、これは一体・・・」
状況がよく読み込めないのか、少し困惑した彼女の頬にそっと手で触れた。視界を奪っている為彼女には僕の行動が読めずに僕の手が触れた瞬間身体を震わせた。じんわりと温かな頬の熱を僕の冷たい手が奪い、なんとも心地いい。
「Aが余りにも弟者君達と仲良くするからオシオキ」
そう言って頬に置いた手をゆっくりと首筋、顎、唇へと動かし彼女の輪郭を撫でた。撫でる度に快楽と言う名の刺激が彼女を襲い、彼女の甘い声が僕の耳をくすぐる。
「わ、私は話しを、していただけで・・・」
紡ぐ声は途切れ途切れで僕の心を掻き立てるには充分だった。
うん、知ってるよ
ただ君が無邪気に接してる事くらい
でもね、その笑顔は
俺にだけ向いてて欲しいから
「知ってる？五感である視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚、これら一箇所でも奪うと他の感覚が敏感になるんだって。その中でも視覚を奪って刺激を与えると身体がその刺激を忘れられず、ずっと覚えてるんだよ」
そう言いながら僕は彼女の前開きワンピースのボタンをゆっくりと２つほど開け、胸元近くまで露わになった白い肌に赤い痕を咲かせた。さっきよりも甘い声が漏れ、僕の欲望が満たされる。
「Aの心も身体も僕を忘れられないよう愛してあげる。愛してるよ、A」
そう呟いて僕は彼女の唇に優しく口付けた。
【END】
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アルバ - コメント有難うございます！殆ど自己満足みたいな文章で申し訳ない感じですが、そう言って頂けると嬉しいです！また温かいお言葉有難うございます( ´ ▽ ` )毎日猛暑ですが、ななしのゴンベイさんもお体に気を付けて下さいませ。 (2018年7月18日 23時) (
レス) id: 5ec2af47b2 (このIDを非表示/違反報告)
ななしのゴンベイ(プロフ) - 確りとした世界観と、読みごたえある文章に惚れ込みました。日々の癒しとして、これからも愛読させていただきます。日差しが厳しくなって参りましたが、お体には気をつけて執筆活動を楽しんでください。 (2018年7月18日 5時) (レス) id: 5d365d193a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アルバ | 作成日時：2018年6月19日 12時
