春風 花びら。 【TRIBE短編集】

バラ＊NAOTO＊ ページ12

今の君にこんなことを言ったら酷なんだろうな
それでも僕は君へ残酷な言葉を突きつける。






NAOTO｢A、もう別れよう｣






｢なんで……？もう、わたしのこと、好きじゃない…？｣






涙目で僕を見ながらそう言う。

違う、大好きなんだ。愛してるんだよ。でも君は僕といても幸せになれない。
今の僕は自分の夢のことしか頭にない。
君のことを放っておいてしまうかもしれない。

それは君にとってなんの幸せにもならないだろう？

自分の夢が叶わなかった時に君を言い訳にしてしまいそうなんだ。

だから、嘘をつかせてほしい。
君を幸せにするための嘘を。





NAOTO｢うん。ごめん。｣





｢そっか、それならしょうがないよね…｣





｢でも今日だけ、私にあなたの時間をいただけませんか？｣






見せたいものがある。そう言った君は優しい顔をしてた。

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