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「とりあえず、組頭を待つぞ。」
押都は木の上を指して言うと、十六夜が困った顔をした。
「あの……すみません……今……飛べないんです……」
「？怪我でもしてるのか？」
「……えと……く、組頭をここで待ってちゃダメですか……？周りは私達以外誰も居ませんし……」
「……お前がそう言うなら構わんが……体調でも悪いのか？」
「……まぁ……はい……」
押都は十六夜の体調を気遣うように木の裏に隠れて雑渡を待った。
それから数分後、雑渡が飛び渡りながら森に入ると、押都が下から呼び止めてきた。
すぐに降り立つと、十六夜が木の影からひょこっと出てきた。
もうその時点で可愛過ぎて抱き締めたかったが、押都の目の前でそういうことは出来ないから我慢した。
「お疲れ様です、組頭。これで殿にも言い訳が立ちますな」
「ふっ、忍術学園の恨みを買わずに済んだよ」
その言葉に、十六夜の目からほろりと一筋の涙が零れた。
「じゃあーー殺してないんですね……」
「ああ」
頷くと、十六夜が雑渡の胸に飛び込んだ。
「良かっーーありがとうございます！」
しがみついて泣く十六夜に、抱き締めたいのを我慢して、雑渡は優しく肩に手を置いた。
「礼は、あの3人の子達にしてあげなさい。あの子達が思い出させたからね」
「ではーー記憶が戻ったんですね！？」
頷くと、十六夜はパァッと笑顔になったーーと思った次の瞬間、十六夜はバッ！と口を押さえた。
「「？」」
「うえ……気持ち悪い……」
「「え？」」
「す、ずみません……私……走れないし、飛べない身体になって……うぅっーー」
「具合悪いの！？」
「さっきもそう言ってまして……体調が思わしくないと……」
ハァハァと何とか吐き気を我慢して、十六夜は2人を見上げた。
「すみません……組頭、小頭……私……黒鷲隊をちょっとの間離脱させてください……」
「「え！！？」」
その言葉に雑渡と押都が驚いた。
「……こ……子供ができたみたいで……」
「「!!?!」」
その後、タソガレドキに戻って来た十六夜と雑渡と押都に部下達が駆け寄ると、2人が気味悪い程にニヤニヤしており、部下達は一瞬ドン引きしたが、ニヤニヤの原因がわかると、その夜、皆で盛大にお祝いした。
次の日、殿に報告する事を忘れていた雑渡は、慌てて全部終わった事を告げに行ったら、めちゃくちゃ怒られたのだった。
その約10ヶ月後、忍者の里で元気な男の子が誕生した。
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うららです(プロフ) - たかこさん» 最後までお読みくださりありがとうございました！またよろしくお願いします〜♡ (7月31日 19時) (
レス) id: b7f8587c18 (このIDを非表示/違反報告)
たかこ(プロフ) - 完結おめでとうございます。雑渡さんの執着愛、素敵でした。次の作品も楽しみに待ってます (7月31日 18時) (レス) @page49 id: 44a1d67be2 (このIDを非表示/違反報告)
うららです(プロフ) - はゆるさん» 最後までお読みくださりありがとうございましたぁ！！ハピエンで終われて大満足しておりまっす！またpixivにアップしますので、お楽しみにぃいー！！ (7月30日 21時) (レス) @page49 id: ecd089ba80 (このIDを非表示/違反報告)
はゆる - 完結お疲れ様です！ お二人の幸せな未来を読めて大満足しております。素敵な作品をありがとうございました！ (7月30日 19時) (レス) @page49 id: d2672a471f (このIDを非表示/違反報告)
たかこ(プロフ) - いいとこで終わってる(x_x)続き、めっちゃ待ってます (7月29日 18時) (レス) @page42 id: 44a1d67be2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：うららです | 作成日時：2025年7月18日 10時
