とある看守長のカオスな日々

その１２　ワカメがついに刑務作業地獄デビュー！！　　by主人公 ページ18

外巣side



俺は現在、刑務作業場へ向かっている。

以前、他の囚人に聞いたのだが、「懲罰房」はとにかくヤバいらしい。

普通に過ごしていれば入れられることはないようだが、囚人同士で喧嘩したり、物を壊したり、その他色々とやらかすと問答無用でぶち込まれるらしい。

自由時間や風呂は一切無し、一日中刑務作業をするだけ。

さらに、食事も房or刑務作業場でとることになるらしい。

懲罰房はとても居心地が悪い上に暗くて狭いので、刑務作業場が天国ように感じるとのこと。

「何をぼんやりしている。早く来い！」

心なしか、看守長がいつもより怖い気がする。

「本日の午前中の刑務作業は“洗濯”だ。量がやや多いかもしれないが、心して取り組むように。そこに山積みにされた囚人服を洗うだけの簡単な仕事だ。洗濯桶に水を張り、洗剤を付けて洗濯板でよく擦る。その後はハンガーに掛けてロープに吊るしておけば良い。では、作業を開始しろ。」


＊＊＊


蛇口がズラリと並んだ刑務作業場で、ただ一人、無心に洗濯をする。

俺たちが普段着ている囚人服は、毎晩の点呼の時に配布されるものだ。

翌朝の点呼の時、前日来ていた囚人服は回収されるが丸一日着ていた物だからかなり汚れている。

洗っても洗っても減らない大量の洗濯物。

トラウマになりそうだ。


＊＊＊


「移動だ。午後は別の刑務作業をやってもらう。」

看守長の命令に思わず反抗してしまう。

「嫌だ！」

「今日の態度次第で、今後のお前の処遇が決まる。反抗的な態度をとった場合、懲罰房期間が長くなったり、最悪の場合房ランクがCに落ちる。」

これはヤバそうだ。

「わかりました。次の刑務作業は何ですか？」

「農業だ。移動するからついてこい。」

とりあえず従った振りをすればいいんだろ！！

そうすれば早く懲罰房から出られる！


＊＊＊


農業の刑務作業はかなり疲れる。

「もっと手際よく！そっちのキノコの収穫もよろしく。」

面倒だ。他の奴がやればいいのに、何で俺が……。

「文句を言わないこと。」

看守長に怒られてしまった。

「言ってはいません！」

どうして看守長は俺の考えていることが分かるんだろう。

そういえば、以前どこかで「脳内を透視できる人」に会ったことがあるような……。

まさか、この人も……。

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