戦いの女神、怪奇現象を多分解き明かす！２ (ページ31)

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その６０　それは、誰にもわからない……。　　by咲紗ページ31

ー放課後の屋上ー

私と楓は二人きりで屋上にいる。

『楓、無事に抜け出せてよかったね。』

「芽依のおかげだよ。ありがとう。……ひとつ、芽依に伝えたいことがあるんだ。」

楓が神妙な顔で言う。

何だろうか。気になる。

「……。」

急に楓が黙ってしまった。

『どうしたの？』

「……好き。」

え？

突然の事に、思考が一瞬止まってしまった。

「もしよかったら付き合ってくれない？」

『いいよ！』

伝えたいことってこの事だったのか。

嬉しいな。

「やった～！！俺、鏡の中から抜け出せたら芽依に告白しようと思っていたんだ。」

そっか。鏡の中で私の事を想ってくれていたのか……。

嬉しい限りである。

楓が私の髪に、さっきの組紐を付けてくれた。

「芽依によく似合ってるよ。」

『本当？ありがとう！』

私達は怪奇現象を７つ解いた。

「七不思議」であるとすれば、全て解けたことになるだろう。

私は楓の手を取り、そして、彼の綺麗な瞳を見つめた。

冷たい風が、私と楓の間を吹き抜けていった……。

「気を付けて。まだ、終わっていないみたい……。」

咲良さんの声が微かに聞こえて来た気がする。

一体、彼女は何について警告しているのだろうか。

それはまだ、誰にもわからない……。