24話 ページ25
「……ずと、苦しかたの、Aに、吸っていい息が、なかったから」
「……」
「大人しくしてないと、上手く、息、できなの、そういう」
「……」
「ね、ね、ラギちゃ、きいて」
「ちょっと黙った方がいいっスよ……」
泣きながら喋って鼻も啜っているから、Aくんの肺が悲鳴をあげている音が聞こえる。
「Aは頭がヘン、なの」
大きく咳き込む。喘鳴が聞こえる。
「ごめ、とつぜ、頭がヘンなの思い出、て、ラギちゃ、酷いことする前に、どっか行かせないとって、思」
「……」
「ごめ……ね、も、お金もって、どっか、いって」
ぽろぽろと涙を流しながらAくんは言う。ぎっと歯を噛み締めた。
「訳わかんねぇっスよ……」
「ね、ね、きいて。A、A、友達、友達を」
目を見開く。Aくんの瞳孔は開いていて、背中に悪寒が駆け抜ける。
「……多分、その話、聞いたことあるっスよ」
「……んん、違、おとさんも、おかさんも、Aのこと、勘違い、して」
「……」
「……A、しってて、ともだち、……たべた、よ」
頭が真っ白になった。
「み、みんな、におい、わかんな、から、Aが気付いてると思ってなかたけど、A、シャチでもにおい、魔法で」
「……な、……なんで、食ったんスか」
「頭、おかし、から」
Aくんが、あまりにも突き放したようにそう言うから。
「あのね、あのね、A、おかしくて、ね」
「……」
「も、戻らない、なら、食べたほうが、いいって」
「……」
しかし、それは、共感はできないが理解はできる、と思う。
「そ、それで、あのね、A、……ほ、ほんとに、お、おかしくって」
Aくんの瞳には何も映っていない。
「も一回、友達作って、仲良くなってから、食べたぃって」
ああ。
それは。
Aくんは、それを言った後に笑った。
いつものかわいい笑いじゃなくって。
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功徳(プロフ) - オパールさん» ありがとうございます！よろしければ他の作品も読んでくださると好みに合うかもしれません🥰 (11月10日 20時) (
レス) id: e0d582f997 (このIDを非表示/違反報告)
オパール - とーっても…面白かったです！この作品を作ってくれて、ありがとうございます！ (11月10日 19時) (レス) @page42 id: e52a8096f8 (このIDを非表示/違反報告)
自分(プロフ) - 新.sinさん» 一気読みありがとうございます！これを気に入ってくださった方は私の別作品も気に入っていただけそうなのでおすすめさせていただいております……💕重ねてお読みいただきありがとうございました🥰🥰🥰 (2022年8月14日 16時) (レス) id: a1f82c8f4e (このIDを非表示/違反報告)
新.sin(プロフ) - 一気読みしてきました。私が占ツクで見てきた作品史上最も好き！！って思いました！！素敵な作品をありがとうございました！ (2022年8月14日 15時) (レス) @page42 id: 03f8c9269c (このIDを非表示/違反報告)
自分(プロフ) - 黒恋さん» わーーいありがとうございましたお疲れ様でした〜！！！本当にありがとうございます……💕💕💕嬉しい嬉しいなあ…… (2022年6月2日 18時) (レス) id: a1f82c8f4e (このIDを非表示/違反報告)
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