【◇】年下はお断りです

年下29 ページ30

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休み時間になって数学の教科書を一瞬開いて、即パタンと閉じた。




………………無理。





「高野A、

補習回避をモットーに挑みませていただきます」

「……選挙運動？」




「違う！私の目標！女子高校生にとって夏休みを補習で潰すほど愚かな事はないのよ！」





「はいはい」とめんどくさそうに前を向いてしまいそうになった小湊。

ちょっと待ってー！と慌てて引き止めてじーっと見つめる。





「……何？告白？」

「……今そんな流れじゃないでしょ」


「あ、御幸に数学教えてもらいたいとか？」

「違う！」


「御幸のマンツーマンがいい？」

「ち・が・う」


「御幸の…」




「っていうかさ！本当はわかってんでしょ！？！？」





「あ、バレてたの？」とクスクス楽しそうに笑っている小湊に「ほんっと性格悪いのね」と睨む。





「で、本当に言いたかったのは？」

「……私に数学を教えてください」




珍しく頭を深々と下げて言うと、「ただ教えるだけじゃつまんないし、不公平だから俺の要望にも答えてよ」と何とも恐ろしい答えが返ってきた。




……どうしよ






でも大事な夏休みかかってるし。

たとえ2日の補習でも絶対嫌だし。

この暑さの中登校するなんて死んでも嫌だし。







「…………わかった」





もう一生小湊のパシリになる覚悟で了承した。








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「俺と夏祭り一緒に行って」







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