七十九話:心の中で2 ページ34
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錆「それでも、俺達はAがいい」
義「わからないなら、これから教えてやる」
『...』
すると、Aは顔を上げて
へにゃりと力なく笑った
『二人には、助けられてばっかだなぁ』
義/錆「「...」」
__違う
__俺達の方こそAに...
錆「馬鹿だな、俺達がAに助けられて
ばっかりだよ。男として情けないぐらいにな」
義「...Aこそ、誰かを助けてばかりだ」
『...』
すると次の瞬間__
一瞬、不意に白い閃光がきらめく
そして、天からAに伸びた鎖が切れて
ジャラジャラと音を立てて地面に落ちる
義/錆「「...!」」
義勇と錆兎はAの背後に現れた
一人の人物の姿を捉える
黒髪に紫色の瞳、整った顔立ち
二十代後半の見た目の、着物を着た男性
手には一振りの刀があった
それはAの記憶で見た__
Aの父親だった
その父親が鎖を断ち切り
そして此方を見た後__
優しく微笑んで何か言った
声は聞こえなかった
そしてその後すぐに姿が消える
義勇と錆兎は互いに顔を見合わせながら
Aから離れて立ち上がる
そしてAに手を差し出す
義/錆「「帰ろう、A」」
Aは少しだけ驚いたように目を見開いて
それから嬉しそうに、泣きそうな顔で微笑んで
頷いて、二人の手を取る
そして、三人の意識は現実へ引き戻された
.
終命ノ夜side
三人が居なくなった真っ白な空間に
姿を現す終命ノ夜
終《ああ、二人の言葉が届いたんだな》
Aも随分、あの二人に心を許してるんだな
としみじみ思う
そして鎖が落ちている所へ行きしゃがみこむ
鎖に触れて、そして手に持つ
終《秀我、君も来ていたんだな》
秀我が、Aの過去のしがらみを、後悔の鎖を
断ち切った
完全に乗り越えた訳じゃない
が、確実に今までより強く
そしてA自身が過去を受け入れる事が出来た
過去に捕らわれているのは___
終《俺だけかな》
何処か寂しげに笑って立ち上がる
__秀我、俺はAを守れてるか?
そう心の中で聞くと
秀「馬ァ鹿、Aが新しい家族を
作って幸せになってるなら上出来じゃねぇか」
と、懐かしい親友の声が聞こえた気がした
終《はは、馬鹿はどっちだったかな》
と笑いながら真っ白な空を見上げた
___秀我、君との約束を果たしていくよ
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来羅(プロフ) - 璘さん» ありがとうございます!無惨様は無惨様だから(は?)夢主と会って多分痛い目見ると思いますよ!諦めるかどうかは微妙な所ですけど(^_^;) (2019年12月1日 12時) (レス) id: 6a0971bec3 (このIDを非表示/違反報告)
璘 - 楽しく読ませて頂いております!夢主を鬼にしようとか無惨アホだなぁと思いながら見てます。無惨の事だから嘗めて掛かると思うので痛い目に遭って諦めて欲しいです。更新頑張って下さい(*´ω`*) (2019年11月30日 22時) (レス) id: c098776017 (このIDを非表示/違反報告)
来羅(プロフ) - 十六夜さん» ありがとうございます!応援すごく嬉しいです!がんばります! (2019年11月24日 20時) (レス) id: 6a0971bec3 (このIDを非表示/違反報告)
十六夜 - すごくよかったです!これからも応援してます!! (2019年11月24日 17時) (レス) id: 15eeb3cf2b (このIDを非表示/違反報告)
来羅(プロフ) - 黒豆粉さん» 応援ありがとうございます!頑張ります! (2019年11月23日 15時) (レス) id: 6a0971bec3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:来羅 | 作成日時:2019年11月16日 18時