六十三話:霧の町 ページ18
Aside
霧が立ち込める町に入る
思った以上に霧は濃く、視界が悪い
錆「離れるなよA、義勇」
義「ああ」
『うん』
警戒しながら霧の中を歩き進んでいくと
不意に声がした
悲痛な、泣きそうな、幼い子供の声
「あぁぁぁぁぁぁっ!お父さん!お父さん!」
『...!』
錆「行くぞ!」
義「...」
声が聞こえた方へ走って向かう
なんだ?この息苦しい感じは...
嫌な予感が、する...
走った先で見えてきた光景は___
『...ッ!』
「お父さんっ!お父さん!!
ごめんなさい!ごめんなさい!」
心臓を刀で貫かれて既に死んでいる父親に
すがりつきながら泣いている5歳程の女の子
それだけならこんなに驚かない
何故こんなに心がざわつくのか
それは___
昔の私だったからだ
昨日の事の様に覚えている
息絶えた父の体温を求めるように
ああやってすがりつきながら泣いた事を
その時の恐怖が、痛みが、苦しみが、悲しみが
体と心に刻み込まれている
___そういう事か
私はその父親と子供の近くに行き
刀を振って斬った
義/錆「「A!?」」
斬った後の親子の姿は、赤い霧のようになって
消えていった
『...幻術だよ、二人も惑わされないでね』
静かに、何処か冷たさを感じる声でそう言う
二人は、Aの様子が少し可笑しい事に
気が付いた
まるで、何かを恐れているような___
冷たく、暗い__光を失った瞳をしていた
そんなAに声をかけようとした瞬間
霧の向こうから何者かが
A達それぞれに斬りかかってきた
三人共、それに反応し攻撃をかわす
敵の姿を見た瞬間___
三人は目を見開いて驚いた
何故ならそこに居たのは____
自分と全く同じ姿をした敵だったから
すると、何処からか声がする
「“自分”に勝てる人間なんて___
居ないでしょう?
心なんてものを持っている限り、ね」
抽象的な、男か女かわからない声が響く
それと同時に自分の姿をした敵が斬りかかる
互いに戦闘が始まった
“自分”に勝てる人間は居ない
なるほど、力も強さも同じじゃ埒があかない
しかも鬼の力で強化されてるとなると___
『二人共!一人で戦わないで協力して
敵を叩け!!相手は鬼だ!!惑わされるな!』
私は敵の攻撃をかわしながら叫んだ
少し離れた所から戦闘音と共に
二人の返事が聞こえた
さて、すぐ殺してやるよまがい物
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来羅(プロフ) - 璘さん» ありがとうございます!無惨様は無惨様だから(は?)夢主と会って多分痛い目見ると思いますよ!諦めるかどうかは微妙な所ですけど(^_^;) (2019年12月1日 12時) (レス) id: 6a0971bec3 (このIDを非表示/違反報告)
璘 - 楽しく読ませて頂いております!夢主を鬼にしようとか無惨アホだなぁと思いながら見てます。無惨の事だから嘗めて掛かると思うので痛い目に遭って諦めて欲しいです。更新頑張って下さい(*´ω`*) (2019年11月30日 22時) (レス) id: c098776017 (このIDを非表示/違反報告)
来羅(プロフ) - 十六夜さん» ありがとうございます!応援すごく嬉しいです!がんばります! (2019年11月24日 20時) (レス) id: 6a0971bec3 (このIDを非表示/違反報告)
十六夜 - すごくよかったです!これからも応援してます!! (2019年11月24日 17時) (レス) id: 15eeb3cf2b (このIDを非表示/違反報告)
来羅(プロフ) - 黒豆粉さん» 応援ありがとうございます!頑張ります! (2019年11月23日 15時) (レス) id: 6a0971bec3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:来羅 | 作成日時:2019年11月16日 18時