とある探偵社の双子の女医

蝶が２１頭 ページ27

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貴｢ん……｣


目が覚めると見慣れた真っ白な天井が目に入った。
此処は……医務室？

てか
……………眩っ


与｢…！A！！｣

貴｢あらお姉ちゃんおはよう｣


Aを見るたび私の名前を叫ぶお姉ちゃん。
それにAはひらァと手を振り応えた。


与｢AーーAーーAーーーー……｣

貴｢え、お姉ちゃん泣かないで？！え、やめて？！ねぇ！ねぇぇえ！！｣


与謝野の目から流れる涙がどんどん純白の布団にシミを作っていく。
そんな中、Aは首に違和感を感じた。


貴｢なんだこれぇ…って包帯？！
え、私太宰じゃないんだけど？！自 殺しないよお姉ちゃん！！
泣かないで私ちゃんと生きるから！！｣

与｢待ってなんでそうなった｣

貴｢私は正常だから自 殺しないからてかその前に死ねないから泣かないで！！｣


成程。
お姉ちゃんが泣いていたのは私が首に包帯を巻いて太宰をリスペクトして自 殺すると思ったのかふむふむ。(違う)


与｢……A、覚えてないなんて云わせないよ？｣

貴｢何をさ？｣

与｢その傷、何処の誰にやられたんだい？
しかも首ッて確実命を奪おうとしたッてことじゃないか｣

貴｢傷…首…｣


思い出した。

気づいたら外に出ていた私。
その後確かお姉ちゃんと国木田が首があーだこーだッて…
自分も首を触ると血がついて…

＿＿＿嗚呼、私倒れたんだッけ。


貴｢嗚呼、急に倒れてごめんね。
突然自分の血を見てびっくりしただけだよ｣

与｢否、そうじゃなくてねぇ…｣


はぁ…と思わず溜息が零れる与謝野。
あ、呆れられた？！


与｢その傷は、誰にやられたんだいって聞きたいの！｣

貴｢嗚呼そっち｣


ｽﾞｷﾝｯ


貴｢っ……｣

与｢A…？｣


………何なんだ今のは。


貴｢な、なんでもないよ大丈夫…！｣

与｢なンだい？まだ寝惚けてるのかい？｣



＿＿＿まだどっさりと整理するカルテはあるからちゃんと目覚ましなよ。



だんだんとお姉ちゃんの顔が、声が、消えていく。

ｽﾞｷﾝｯ
ｽﾞｷﾝｯ
ｽﾞｷﾝｯ

後頭部をバットで殴られるような激しい痛みに襲われた。
心臓もバクバク、と動悸が治まらない。



＿＿＿思い出せない。


思い出そうとすればする程、激しくなる頭痛と動悸。

何なンだいこれは…！


与｢A！A！確りしな！A！！｣

貴｢おね、ちゃん…｣

与｢大丈夫かい？！｣

貴｢お姉ちゃん…私…








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思い、出せないよ｣

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