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10.境【剛】 ページ10

*






チャイムが鳴って玄関を開けると彼女がいた。


剛「どうぞ」

『…』


彼女が家にきたが、することは至って普通だ。

一緒にご飯食べて、お風呂に入って、寝て…








剛「今日、出かけようか」

『え…』


案の定、彼女は嫌そうな顔をした。


剛「ね?」

『でも…』

剛「はい。準備してー」

『…』


無理矢理準備をさせ外に出る。


剛「どこ行こっか?とりあえず昼飯食う?」

『…』


俯いて少し離れて歩く彼女。


剛「…」

『…っ』


手を掴み横に並ぶ。


『…剛くん、、手、』

剛「何食べたい?」

『手、離して…』

剛「…どこ行こうか」


手を握る力を強める。


『っ…』

剛「…パスタにしよっか」

『…』



ずっと大人しい彼女。

今日が終わりに向かうなんて、知らないだろう。







*

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作者名:まとい | 作成日時:2020年12月15日 2時

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