ヒトメボレ (ページ11)

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11.雑誌ページ11

*

『ただいま…』

帰宅すると、源ちゃんがいるはずなのに真っ暗な部屋。

『源ちゃん…？』

リビンクのドアを開けると、椅子に座ってる源ちゃん。

パチッと電気をつけると机に何か広げられており、それをジッと見つめていた。

『…源、ちゃん？』

源「…」

『何してるの？』

源「…んだよ、これ」

『え？』

源「なんだよこれっ！！」

バンッと机を叩いた勢いで椅子から立ち上がり、振り返った彼は悲しみと怒りを露わにしていた。

彼の手元にあるものを覗くと、雑誌の記事。

そこには、顔は隠れているものの
剛くんに手を引かれて歩く私の写真と共に
【綾野剛の恋人は星野源の婚約者…？不倫か…！？】と大きく見出しが書かれていた。

『え…』

源「どういうことだよ！」

『ちが…これは…』

源「最近、泊まりとかひとりででかけてることが多かったけどお前がそんな事するわけないって信じてたっ…！だけど、よりによって剛くんって…」

『違う…！これは、違うのっ』

源「何が違うんだよ！この写真が何よりの証拠だろ！」

『違う、源ちゃん…話聞いて』

涙ながらに訴えても当然、源ちゃんは話を聞こうとしない。

源「うるさいっ…」

『…』

源「もう、好きにしろ…婚約は破棄だ」

『源…』

彼は指輪を外して乱暴に机に置くと、玄関へと向かい出ていった。

『…』

足から崩れ、その場に座り込むと自然と溢れてくる涙。

拭うこともせずにそのまましばらくボーッとしているとスマホが数回振動した。

『…』

無気力のままスマホを手に取り画面を見ると、剛くんからの着信。

『…』

ユラリと立ち上がると、準備をして家を出た。

*