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「俺は音駒高校主将の黒尾鉄朗だ」
『どうも、2年の鈴鳴Aです』
互いに自己紹介をする。
ペコリと頭を下げると、あ、どうもと向こうも軽く頭を下げた。
「ポジションどこ?」
『ミドルブロッカーです。黒尾さんもですよね?』
「おっ、俺のこと知ってんの?」
『大会のログで見たことあるようなないような』
たしか、あおり上手の黒尾さんだった気がする。東京にいたときにも名前を聞いたことがある。
嫌だ。ぜったいに煽られたくない。
そんな煽られてメンタル持つ気がしない。
「へぇ〜、あ、あのさ、」
『すみません、ちょっと失礼しますね』
また何か黒尾さんに話しかけられそうになったときに、すっと逃げた。
一直線に月島のとこに向かう。
「え、なんでくるんですか」
『酷いな、一応先輩なんだけど』
「一応って自分で言うんですね」
不思議だという顔をしながら、無理やり隣に並ぶ。
体育館に入ると、すぐにアップを取って準備に入った。
第一試合目、梟谷との試合。
向こうの主将が目指せ!ノーペナルティ!!とか叫んでる。さすが強豪校だな。
こっちはもはや掻っ攫え!ペナルティ!!なのに。
「それでいいぞ!ガンガンいけ!」
試合中盤。我ら烏野高校はというと、
「アッ!」
「スマーン!」
…もはや気持ちが良いほどに噛み合っていなかった。
逆によくここまで噛み合ってないな、すげぇよ。
でもそれはみんなが成長するために、新たなことをやっているから。
まだ成長途中なんだ。
みんな、先に進もうとしている。
…俺はこのままでいいのだろうか。
ふと、外から応援しながらそんなことを考える。
俺は飛べない。それは紛れもない真実。だからブロックやレシーブに力を入れてきた。
それは間違ってはいないと思う。
だけどいいのか。
みんな進もうとしてる、それなのに自分だけ何もしてないなんて。
俺も新しいことを始めたほうが…
そこまで考えて、交代の笛がなる。
…今は目の前の試合に集中しよう。
そう思い腰を上げた。
「ナイスレシーブ!」
「レフトレフト!」
タイミングよく飛ぶ。絶対にただでは通してやらない。
ダダンっと気持ちの良い音がして、相手コートにボールが落ちる。
「ナイスブロック!!」
わああっと仲間の声が耳に届く。
だけどその声はいつもよりずっと遠く、重く感じた。
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よっしそろそろ書きたいとこだぞっ
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あなくま(プロフ) - あっびーさん» ありがとうございます!気まぐれ更新ではありますが頑張ります!澤村さん直してきますすみません (7月3日 6時) (レス) id: 995ed5925a (このIDを非表示/違反報告)
あっびー - コメン卜失礼します!話とてもおもしろかったです!がんばってください!あと澤村が沢村になっていました (7月2日 15時) (レス) @page5 id: 9335c42a96 (このIDを非表示/違反報告)
あなくま(プロフ) - 怜央さん» ほんとですね…教えていただきありがとうございます!実は前にも消えちゃってたのでまた同じようなことがあるかもしれません…気をつけます! (2022年10月14日 20時) (レス) id: 995ed5925a (このIDを非表示/違反報告)
怜央(プロフ) - コメント失礼します!36話が消えちゃってますよ〜! (2022年10月14日 20時) (レス) id: 8acdf4d0f3 (このIDを非表示/違反報告)
あなくま(プロフ) - ありがとうございます!できるだけ早く更新できるように頑張ります! (2022年10月13日 16時) (レス) id: 995ed5925a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あなくま | 作成日時:2022年9月24日 14時