【ツイステ × 文スト】魔人の双子の妹は異世界へ飛ばされたようです《2》 (ページ9)

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57話ページ9

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絨毯の上に隙間なく敷き詰められた豪勢な食事。煌びやかな食器たち。

このティーカップだけでも札束を幾つも積める程の値打ちが着くものばかりだ。

「はっはっは！ジャミルが作ったメシは美味いぞ！どんどん食べてくれ！」

容器に笑っている彼が身につけている小物たちも、よく見れば単品だけで家を一つ購入出来る代物だ。

死の家の鼠はあくまでも盗賊団。鑑定には自信がある。

「Aちゃんこっち向いて～！はい、チーズ☆」

カシャッと軽快な効果音が鳴った。
俗に言う、自撮りというものだったか。

「えーと、#宴 #新メンバー加入 #マドモアゼル・アメジスト #パリピ …よしっ！食べよっか～！」

謎に新メンバーにされているな。

皆はご馳走を食べ始め、やいのやいのと世間話を喋り出す。皆さん、テンションが全員高いと云うか何と云うか。

私も控えめにスープを掬って食べる。
美味しい。

「そうだ、キミに毒の君が興味を抱いていたよ。都合のいい日に我らがポムフィオーレ寮へ連れて来るように命じられてしまったんだ」

「は、はあ」

ポムフィオーレ。前に聞いたのは美を追求する寮。

美は今までに意識したことがなかったためによく分からない。そこの寮長に興味を示されるなんて、何か気に障るようなことでもしてしまったのだろうか。

「そんな私もキミには以前から興味を持っていたのだよ。ムシュー・確信犯や愉快犯、努力の君、自室の君、更には竜の君までもを虜にしてしまう魅力があるんだからね」

「？」

自室の君は何となくイデアくんのことだろうと思った。その他のあだ名の方達は一体誰なんだ。

竜……はツノ太郎さんと言った所か？

「カリム！人が増えたなら早く言ってくれと何度言わせるんだ！！」

「ジャミル～！サンキューな！！」

「ハァ…………ん？君は見ない顔だな」

「お邪魔しています」

厨房から出てきた長髪の人は如何にも苦労人感が出ていた。きっと日頃からカリムくんに世話を焼いているのだろう。

「俺はジャミル・バイパー。副寮長であり、カリムの従者をしている」

「A・ドストエフスカヤです。よろしくお願いします。…料理、お上手なんですね」

「まぁな。カリムの料理はいつも俺が作っているから慣れているんだ」

従者、ということはカリムくんはかなり権力がある人物のご子息ではないか。

「ああ見えて彼奴(カリム)は熱砂の国の大富豪の長男なんだよ」

「……ご苦労様です」