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53話 ページ5

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私は頷き、再び跨がった。
ジャンプはせずに地面に足を着けたままで。



「そのまま浮くイメージをしてみてください」



浮く……



「と、鳥とか風船的なやつですぞ」



鳥………風船……………


言われた通りイメージしていくと、足が地面から離れていくような感覚がした。



「う、浮いて………る?」

「はい、浮いてますよ!」

「なんだあっという間にアズール氏超えるじゃないですかヤダー」



ふよふよと上昇していくホウキ。
二人の目線よりも上へ浮き、3階ほどの高さまでに来た。



「あの、これどうやって降りるんですか」

「ゆっくり降りるイメージですよ」



とアズールくんが声を上げた。


ゆっくり、ゆっくり。


イメージを重ねて下へ降りて行くホウキ。



遂に2人の目線ほどまで来た………が。


いきなり猛スピードでホウキが急発進したのだ。



「わ………………!?」


「A氏ぃいいい!?」

「Aさぁあああん!!?」



猛スピードで進むホウキ。
幸か不幸か、進行方向には誰もいなかった。


手を離そうにも今ここで離したら怪我は免れない。
私は必死にしがみついた。



止まらないホウキは運動場から植物園へと向かっている。


どうしよう、植物園に入って木や食虫植物にぶつかったらそれでこそおしまいだ。



植物園の門を潜り、もうダメだと思って目を瞑る。



「…!?」



植物園にいた誰かが魔法をかけたようで、急発進していたホウキはピタリと空中に止まって勢いを無くす。


恐る恐る目を開けると、そこには頭から耳を生やし、不機嫌そうに寝そべっている人とドーナツを食べかけのまま凝視している人がいた。



「大丈夫ッスか?」

「あ………う…………はい……」

「とりあえず降りろ。……手ェ貸してやるから」

「す、Спасибо(ありがとうございます)



未だ震える手を寝そべっていた人が優しく掴み、私は地面へと足を着けた。









「………今、Aが怯えたような気がします」

「君の異常なまでの妹愛(シスコン)に怯えたんじゃないかい?」

「そんな筈がありません。彼女は今間違いなく何かに恐怖していました」

「ま、Aちゃんを私にくれるなら納得してあげても()いのだよ?義兄さん♡」

「ぼくのAを勝手に貴方のものにしないでくれますかね。不愉快です」

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アババババ - 80話の最後のフロイド君の発言で草生えました! (2022年11月19日 23時) (レス) @page32 id: 222bdc0355 (このIDを非表示/違反報告)
あ〜ちゃん(プロフ) - 猫さん» 承認しました!こちらこそよろしくお願いします! (2020年7月23日 21時) (レス) id: 9c71528097 (このIDを非表示/違反報告)
時雨 - あ〜ちゃんさん.......私も好物なので有り難いです......!ぜひ御願いします! (2020年7月23日 21時) (レス) id: fc34ad99ff (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - あ〜ちゃんさん» 柘榴です!よろしくお願いします! (2020年7月23日 18時) (レス) id: f20993b4a3 (このIDを非表示/違反報告)
あ〜ちゃん(プロフ) - 猫さん» OKです!ありがとうございます!! (2020年7月23日 13時) (レス) id: 9c71528097 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あ〜ちゃん x他1人 | 作成日時:2020年6月29日 0時

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