86話 ページ38
.
連日、A氏のモンペが異世界からやってくる。
お兄様と対峙した時は圧と言うか、シスコンの "それ" を感じた。妹絶対守るマンがそこに居た。
友人のゴーゴリさんだって明るそうに振る舞いながらも、その瞳には静かな殺意が滲んでいたのを僕は見逃していない。怖すぎる。
お兄様方が帰ったら部屋も完成して、A氏はそっちへ行ってしまった。何時かは出来ると思ってたけど。
何時もならあの可愛い声で「イデアくん、ただいま帰りました」って言って帰ってくるA氏を見れなくなると思うと何だか寂しくなった。会おうと思えば隣室だし会えるんだけどね。
同棲みたいとか言って内心はしゃぎまくって一人SAN値ピンチしてた頃が懐かしい。
そこまで考えてハッとする。
いや、この陰キャキモすぎか???何だよ同棲って。そもそもそんな関係でもないんだぞ、イキリオタクよ。そんなんだからチー牛言われるんだぞ。
……まぁ??A氏のかわゆい寝顔も風呂上がりの火照った顔も拙者は知ってますしおすし????同棲って言っても??過言じゃないのでは?????
「…………はぁ。妄想乙ですね〜〜〜ハーイ」
自分で妄想広げすぎて虚しくなった。
今日だって新しい知人さんも来てて、A氏は引っ張りだこ。こんな陰キャに構っていられる程暇じゃない。
つらつらとネガティブに精が出ている中、バァンとドアが開いた。
「ヒギャアア!?」
「イデアくん、今日は泊まらせてください!!」
「…ァ?」
扉を開けたのはA氏だった。
その後ろには飛行術の時に見た男の人もいる。
「ど、ど、どしたの?」
「この男と同じ部屋で寝るなんて真っ平御免です!!」
「Aちゃぁん、そんな事言わないでくれ給えよ。太宰さん泣いちゃうよ?」
「泣けばいいじゃないですかモズクさん。嗤って差し上げますよ」
え、何?A氏ってS属性だったの?推せるんだが???
「と、とりあえず分かったよ…」
「本当にすみません、イデアくん。素敵なお部屋を用意してくださった矢先に………」
「い!!い、いい、いや!僕は全然うれし…大丈夫だから……!」
「ふっふっふ、Aちゃんは彼氏が沢山居るのだね。魔人が知ったら彼等殺されるんじゃないかい?」
「違いますってば。フェーヂャにも誤解は解き済みですよ」
「何だいつまんないの」
そんな訳で今夜はお願いします、と眉毛を八の字にして頭を下げたA氏に良い笑顔で承諾した。
563人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
アババババ - 80話の最後のフロイド君の発言で草生えました! (2022年11月19日 23時) (レス) @page32 id: 222bdc0355 (このIDを非表示/違反報告)
あ〜ちゃん(プロフ) - 猫さん» 承認しました!こちらこそよろしくお願いします! (2020年7月23日 21時) (レス) id: 9c71528097 (このIDを非表示/違反報告)
時雨 - あ〜ちゃんさん.......私も好物なので有り難いです......!ぜひ御願いします! (2020年7月23日 21時) (レス) id: fc34ad99ff (このIDを非表示/違反報告)
猫(プロフ) - あ〜ちゃんさん» 柘榴です!よろしくお願いします! (2020年7月23日 18時) (レス) id: f20993b4a3 (このIDを非表示/違反報告)
あ〜ちゃん(プロフ) - 猫さん» OKです!ありがとうございます!! (2020年7月23日 13時) (レス) id: 9c71528097 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:あ〜ちゃん x他1人 | 作成日時:2020年6月29日 0時