77話 ページ29
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「フェーヂャ、そんなにイデアくんを驚かせないでください。彼は臆病者なんですから」
「…ふふ。すみません、どうも反応が面白くて」
言葉では謝ってはいるものの、顔に一切謝罪の意を感じられない謝り方。…ジェイドくんに似ているなぁ。
イデアくんはすっかり顔面蒼白。
そこまでフェーヂャが怖かったのか。
「…あ、そうだ。フェーヂャ達は今夜何処で寝るんですか?」
この部屋にはベッドが一つしかない。
その為に私自身もイデアくんの寝床にお邪魔させて頂いている。新しい部屋だって出来たと云う報告は来ていない。
ゴーゴリくんの空間接続の異能も、ベッドの大きさに対して外套の布面積が足りないから不可。
さて、どうしたものか。
「…………あ」
「イデアくん?」
「………ひ、一人、思いつく方が、い、いいいらっしゃるのですが………」
「…どうぞ」
「しゅ、しゅみましぇん、連絡してきまふ」
噛みまくりながらも彼は携帯を取り出し、誰かへと電話を掛けた。
「……あーしもしも。急で本当に申し訳無いでござるが、君んとこの寝床って空いてる?……………あ、マジすか?それはGJっすわ〜。んじゃ、今日だけらしいからよろしくオナシャス」
…………どうやら許可は下りたようだ。
通話を終了させ、イデアくんは向き直った。
「スススススミマセン、オマタセイタシマシタ」
「………結果はどうでしたか?」
「あ、ああ空き部屋は沢山あるらしいので、大丈夫そうですハイ」
「それは良かった。その方は何方ですか?」
「こここの寮じゃなくて、お、オンボロ寮という所の監督生という方で」
監督生さんか。
オンボロ寮に空きがあるのも納得は出来る。
「ではそこへ案内してください」
「ヒィ」
「嗚呼、私が場所を知っているので大丈夫です。案内しますよ」
「ははは、流石Aです。是非お願いしますね」
何だかイデアくんが可哀想に思えてきた。フロイドくん達を目の前にしても此処まで震えないだろう。
私が案内することを伝えると、フェーヂャは打って変わって花が咲くような笑顔になった。斯くして、イデアくんの夜の身の安全は守られたのである。
「対応違い過ぎませんかね………(小声)」
「何か問題でも?」
「ヒギャッ…イエナンデモ………」
「それではまた明日、イデアくん」
「ウッウン……おやすみ、A氏」
「ハハハーハハ!!また会おう、少年!」
「ヒィィ」
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アババババ - 80話の最後のフロイド君の発言で草生えました! (2022年11月19日 23時) (レス) @page32 id: 222bdc0355 (このIDを非表示/違反報告)
あ〜ちゃん(プロフ) - 猫さん» 承認しました!こちらこそよろしくお願いします! (2020年7月23日 21時) (レス) id: 9c71528097 (このIDを非表示/違反報告)
時雨 - あ〜ちゃんさん.......私も好物なので有り難いです......!ぜひ御願いします! (2020年7月23日 21時) (レス) id: fc34ad99ff (このIDを非表示/違反報告)
猫(プロフ) - あ〜ちゃんさん» 柘榴です!よろしくお願いします! (2020年7月23日 18時) (レス) id: f20993b4a3 (このIDを非表示/違反報告)
あ〜ちゃん(プロフ) - 猫さん» OKです!ありがとうございます!! (2020年7月23日 13時) (レス) id: 9c71528097 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あ〜ちゃん x他1人 | 作成日時:2020年6月29日 0時