好き、嫌い、好き (ページ32)

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ふっかと別れ、ソファに座る。

なんだかさっきからため息が
止まらない。

ふっかに言われたことは
嬉しいけど、なんだか自分に
起きたことのような気がしない。

ぼーっと座っていると
LINEの通知音が響く。

【明日大丈夫か？】

私はそれに

【大丈夫。会えるの楽しみにしてる。】

そう送り返すとすぐに
OKっていうスタンプがきた。

明日のことを考えて
早めに寝なきゃな。

シャワーだけさっと浴びて、
前に翔太が置いていった化粧水と
クリームを使う。

さすが美容アドバイザー(？)
いいもの使ってるな。

シャワー入ってる間に
誰かからLINEが来てる。

【起きてる？】

って阿部くんから。

【うん、そろそろ寝るとこだよ。】

そう返したらすぐに着信が来た。

『も、もしもし？』
｢お疲れ様、彩ちゃん。｣

電話越しで阿部くんの声を
聞くのは初めてで、なんか変な感じ。

『お疲れ様です。なんかあった？』
｢いや、なんか声聞きたくなって。｣
『へっ？』

思わず変な声を出すと、
向こう側でケラケラと笑う阿部くん。

｢彩ちゃんってリアクション面白いよねー。｣
『え、からかうための電話？新しいね。』
｢これから毎日しようかなー。｣
『いや、やめて。軽い迷惑電話だよ。』
｢俺は楽しいから大丈夫ー。｣

なんか今日やけにSっ気強くないか…？

｢寝るとこなんでしょ？急にごめんねー。｣
『いや、いいんだけど。ほんとなんかあった訳じゃない？』

あまりに珍しいことだから急に心配になる。

｢ふふ、今度彩ちゃんに会って慰めてもらうから平気。｣
『え、うん、それは全然頑張るけど。』
｢ほんと彩は優しいね…。｣

呼び捨て、
なんだかドキッとしちゃうな。

｢急にごめんね、おやすみ。彩。｣
『おやすみなさい。』

……通話が終わると、

【彩の声聞いたら眠くなるね。ありがとう。】

って、阿部くんからのメッセージ。

私の声はマイナスイオン……？

とりあえず寝よう。
そう思って布団に入る。

朱音に会えて嬉しかったな。
プレゼントも喜んでくれたし。
照くんの制服姿、最後に見れて
よかった。かっこよかったな。
あんまガン見できなかったけど。

楽しい一日、
そして、
ドキドキしまくった一日。

これからどうなってくのかな。

楽しみなようで不安。

そんなこと考えながら、私は眠りについた。