百五十三話 仲直りは突然に… ページ4
やがて、左之助が
帰還すると──…
一「つまり…
この足の運びは敵の目を欺くと？」
A「ああ。踏み込んだと思わせて
その実、後ろに退くので敵が好機と見誤り
獲物を振るう…ゆえにこちらが
懐に入る隙ができるという寸法だ」
道場には身体を動かしながら
熱く語り合う二人がいた。
その雰囲気は表情とともに穏やかで和らげだ。
一「なるほど…なかなかに興味深い。
先程の小手投げだが、あの動きを今一度…」
左之助「お、おいっ！」
堪らず左之助は
熱い語りを遮って二人の間に割って入る。
A「どうしたんだ、原田？」
左之助「どうしたもこうしたもねーよ！
お前ら…さっきまで斬り合う寸前の
険悪な雰囲気だったじゃねーか！」
一「っ…そういえば……」
A「こちらに興が乗って
すっかり忘れていたな…」
左之助の言葉を受けて
しばし気まずそうに互いの顔を窺う二人。
やがて、
一「すまなかった…あんたの言う通り
俺が余計な世話を焼いてしまった」
A「そんなことはない！
俺こそ……千鶴を大切に思うあまり
視野を狭めていた…面目ない」
素直に互いの言い分を認め、
己の言動の至らなさを反省し謝罪した。
左之助「たくっ……こんな簡単に
和解すんなら最初から一歩譲れよな」
巡察中も二人のことが心配で
気が気でなかったのに
盛大な肩透かしを食らった気分である。
A「返す言葉もない。
原田にも気を揉ませてすまなかった」
一「不甲斐なかった…」
左之助「まあ…いいってことよ！
じゃあ、存分に続きを…」
これにて一件落着と思われたが……
そうなると、また奴が来る。
総司「あれ？もうケンカやめちゃったの？
長引けば面白そうだったのに」
────ピシ…ッ！
飄々とした物言いを受けた途端に
二人が怒りでわなわなと身体を震わせた。
「「沖田／総司 は黙ってろっ！！！」」
後に、隊士らは語った──…
あの日は道場から物静かな二人の
怒りの声が雷鳴のごとく轟いた、と。
…───まさに晴天の霹靂である。
＊ ＊ ＊
左之助「総司…少しは懲りろよ。
本当にAから嫌われ抜かれるぞ」
総司「泣けばしばらく控えようと思うけど
Aくんって怒ってばかりで
なかなか泣いてくれなくて〜」
すぐに道場から追い出された
総司の横を歩き、
左之助が深いため息をついた。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
続く
ラッキースケベ
斎藤一 風呂上がりの無防備な恰好で出くわすと説教＆襟巻でぐるぐる巻きにされる！なにゆえ？！
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亜紀野ユキ(プロフ) - リアさん» ありがとうございます(*´ω｀*)執筆意欲が俄然湧きました!! (2022年2月13日 16時) (
レス) id: 737b70383c (このIDを非表示/違反報告)
リア - 個人的に男装でバレずに焦れる話が好きです。作者様が本当に書きたいものを読めればな〜と思っております。強いて言えばシリアスが好物です笑。この作品で何だか伊東さんが憎めずになってしまい、好きになってきましたwこれからも更新楽しみにしております♪ (2022年2月13日 13時) (レス) @page50 id: 99ed9645a2 (このIDを非表示/違反報告)
亜紀野ユキ(プロフ) - ひなみさん» 貴重なご意見恐縮です!!悩ましいですが…ご容赦を(>_<)いずれ男装即バレのR.18アナザーストーリーをupするのでお許しを!! (2022年1月25日 19時) (レス) id: 737b70383c (このIDを非表示/違反報告)
ひなみ(プロフ) - はじめまして！薄桜鬼も愛されも好きすぎるのでこの作品も大好きなのですが、ＢＬは苦手なので早く女バレさせてほしいです…。読み手は女の子だと分かっていても登場人物は男だと思っているわけだから…どうしてもＢＬに見えてしまって…。でもお話は大好きです！ (2022年1月25日 19時) (レス) @page48 id: 81d9d42d97 (このIDを非表示/違反報告)
亜紀野ユキ(プロフ) - 律さん» どうもﾃﾞｽ!!(*^ω^) (2021年12月27日 12時) (レス) id: 737b70383c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：亜紀野ユキ
| 作成日時：2021年9月18日 21時
