百六十話 子供が見てるから… ページ11
「ねー！そーじ！
このお兄ちゃんのお話
すごーく面白かったの！」
「あとね！かけっこもかくれんぼも
してくれたんだよ！」
「鬼ごっこもー！」
総司「いっぱい遊んでもらって良かったね。
この小さいお兄ちゃんね…
僕とは全然遊んでくれないんだよ」
A「おい……要らんことを言うな」
告げ口するかのようにわざとらしく
肩をすぼめてため息をこぼす。
その仕草に苛立ちを覚え
Aの眉がぴくりとつり上がった。
すると──…
「お兄ちゃんだめだよー！
そーじのことばかって呼んだり
仲間はずれにしちゃ」
「そーだよ！そーじ泣いちゃうよ」
曇りのない目で子供達が言う。
総司「……ふぅん。
子供達の前で馬鹿呼ばわりしてたの？」
その刹那、総司の声音が一段階低くなった。
A「さ、さあ…みんな！
暗くなるから今日はおうちに帰りなさい。
ご家族が心配しているぞ」
彼の顔を意図的に見ないように
腰をかがめて子供達と目線を合わせて
優しく言い聞かせる。
「ちゃんと仲直りするんだよー」
A「う…うん！ちゃんと仲直りするよ」
総司の日頃の態度に改善の余地がなければ
そのつもりは未来永劫ないが。
すると、面白いことを思いついて
彼はその口に弧を描く。
総司「大丈夫だよみんな。ほーら…仲良しーっ」
──ぎゅっ…
背後からのしかかるように抱きつかれ
突如としてAは身動きが取れなくなる。
A「っおい！貴様…今すぐはな…」
総司「子供達が心配そうな顔で見てるよー？」
威圧的な物言いと射殺すような双眸で
その手を振り払おうとする。
しかし、彼の指摘を受けて
純真な眼差しで不安げに
こちらを見つめる子供達の視線に気付く。
A「くっ…！」
あどけない彼らの前で
荒っぽいことなど出来るはずがない。
総司の手のひらで踊らされているような
歯痒さから強く奥歯を噛みしめた。
千鶴 (これは…大変なことになっちゃう…！)
経験則からその後の展開を予測し、
千鶴は慌てて建物の内部へと走って行った。
具体的にはあの人物の元へ。
「お兄ちゃん…仲良し？」
A「っ……うん！すっごく仲良しだ！！」
己にそう言い聞かせて
殴りたくなる衝動を抑え込むように叫んだ。
もはやヤケクソである。
総司「ぷっ…！」
A (おのれ……沖田…！！)
背後から聞こえる噴き出す笑い声に
めらめらと殺意の炎が燃え始める。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
続く
百六十一話 何度目かのケンカ…→←百五十九話 役に入り込んで…
ラッキースケベ
斎藤一 風呂上がりの無防備な恰好で出くわすと説教＆襟巻でぐるぐる巻きにされる！なにゆえ？！
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亜紀野ユキ(プロフ) - リアさん» ありがとうございます(*´ω｀*)執筆意欲が俄然湧きました!! (2022年2月13日 16時) (
レス) id: 737b70383c (このIDを非表示/違反報告)
リア - 個人的に男装でバレずに焦れる話が好きです。作者様が本当に書きたいものを読めればな〜と思っております。強いて言えばシリアスが好物です笑。この作品で何だか伊東さんが憎めずになってしまい、好きになってきましたwこれからも更新楽しみにしております♪ (2022年2月13日 13時) (レス) @page50 id: 99ed9645a2 (このIDを非表示/違反報告)
亜紀野ユキ(プロフ) - ひなみさん» 貴重なご意見恐縮です!!悩ましいですが…ご容赦を(>_<)いずれ男装即バレのR.18アナザーストーリーをupするのでお許しを!! (2022年1月25日 19時) (レス) id: 737b70383c (このIDを非表示/違反報告)
ひなみ(プロフ) - はじめまして！薄桜鬼も愛されも好きすぎるのでこの作品も大好きなのですが、ＢＬは苦手なので早く女バレさせてほしいです…。読み手は女の子だと分かっていても登場人物は男だと思っているわけだから…どうしてもＢＬに見えてしまって…。でもお話は大好きです！ (2022年1月25日 19時) (レス) @page48 id: 81d9d42d97 (このIDを非表示/違反報告)
亜紀野ユキ(プロフ) - 律さん» どうもﾃﾞｽ!!(*^ω^) (2021年12月27日 12時) (レス) id: 737b70383c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：亜紀野ユキ
| 作成日時：2021年9月18日 21時
