百五十話 珍しい光景… ページ1
それは──…
とある隊士の
焦りの報告から始まった。
「大変です、原田組長…!!
門でAさんと斎藤組長が
斬り合い寸前の険悪な雰囲気です!」
左之助「あ…?Aと斎藤……?
Aと総司の間違いだろ」
最早、Aと総司の揉め事は
全隊士にとっても周知のこと。
慣れた日常の一部である。
「違いますっ!
…とにかく早く来てください!!」
左之助「お…おう。
(一体全体どうなってやがる…)」
戸惑いつつも促されるままに
左之助は門まで駆けつけた。
そこでは──…
一「……あんたはもっと
理知的な人物と思っていた」
A「それはお互い様だ。
…斎藤がここまで融通の利かない奴とはな」
報告通りに、Aと一が
冷たい表情で火花を散らせていた。
さらに、そのすぐそばでは──…
千鶴「あ、あの……」
新八 (どうでもいいから早く終わんねーかな)
千鶴がおろおろと双方の顔色を窺って、
新八が困ったように頭を掻いていた。
左之助「おい、新八…
こりゃあどういう状況なんだ?」
新八「あ、左之!
いやなぁ…俺も戸惑ってんだよ」
邪魔にならないように音を立てずに
駆け寄った左之助に新八が耳打ちする。
新八「俺が千鶴ちゃんを甘味処に誘ったら
斎藤が無駄遣いすんなって突っかかってよお…
そしたら今度はAが斎藤に物申して
気付けば二人でああなってんだよ!」
そう──…
事の発端は、新八が千鶴を労うために
甘味処に連れて行こうとして起こった。
なのに、気付けば
対立しているのはAと一である。
一「武士は食わねど高楊枝。
少々金回りが良くなったからといって
成金のような振る舞いは控えるべきだと
俺は新八に言っているのだ」
A「腹が減っては戦はできぬとも言う。
普段なら飲み代に消える永倉の給金を
千鶴の笑顔に変えられるなんて
むしろ究極の有効活用だろう」
固い表情で言い争う二人の間を
ひゅうぅ…と冷たい風が
吹き抜けるように皆が錯覚する。
季節は夏だと言うのに
そこはまるで極寒の地のようだ。
左之助「あー……なんとなく状況が掴めた。
斎藤もAも似た気質だからな……
どっちも簡単には譲らねーだろうな」
新八「だろ?しかも二人して
地味に俺を貶めるから傷付くんだよ!」
**********
続く
無表情の美形二人めっちゃ怖い…
ラッキースケベ
斎藤一 風呂上がりの無防備な恰好で出くわすと説教&襟巻でぐるぐる巻きにされる!なにゆえ?!
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亜紀野ユキ(プロフ) - リアさん» ありがとうございます(*´ω`*)執筆意欲が俄然湧きました!! (2022年2月13日 16時) (レス) id: 737b70383c (このIDを非表示/違反報告)
リア - 個人的に男装でバレずに焦れる話が好きです。作者様が本当に書きたいものを読めればな〜と思っております。強いて言えばシリアスが好物です笑。この作品で何だか伊東さんが憎めずになってしまい、好きになってきましたwこれからも更新楽しみにしております♪ (2022年2月13日 13時) (レス) @page50 id: 99ed9645a2 (このIDを非表示/違反報告)
亜紀野ユキ(プロフ) - ひなみさん» 貴重なご意見恐縮です!!悩ましいですが…ご容赦を(>_<)いずれ男装即バレのR.18アナザーストーリーをupするのでお許しを!! (2022年1月25日 19時) (レス) id: 737b70383c (このIDを非表示/違反報告)
ひなみ(プロフ) - はじめまして!薄桜鬼も愛されも好きすぎるのでこの作品も大好きなのですが、BLは苦手なので早く女バレさせてほしいです…。読み手は女の子だと分かっていても登場人物は男だと思っているわけだから…どうしてもBLに見えてしまって…。でもお話は大好きです! (2022年1月25日 19時) (レス) @page48 id: 81d9d42d97 (このIDを非表示/違反報告)
亜紀野ユキ(プロフ) - 律さん» どうもデス!!(*^ω^) (2021年12月27日 12時) (レス) id: 737b70383c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:亜紀野ユキ | 作成日時:2021年9月18日 21時