七話 俺らの命は天秤に… ページ8
そこからは完全に向こうに
話の主導権を握られた。
Aがごまかす暇もなく、
千鶴はうっかり隊士が不逞浪士を
惨殺したところを見ていた事実を
彼らに漏らしてしまう。
新八「なら、隊士どもが浪人を
斬り殺しちまったとこは
しっかりと見ちまったわけだな…」
千鶴「え…」
左之助「お前…根が素直なんだろうな。
それ自体は悪いことじゃねーんだが…」
総司「そら、殺しちゃいましょうよ。
口封じするならそれが一番じゃないですか」
千鶴「そんな…!!」
A「貴様…っ!!いい加減にしろよ…
先程から手前勝手に
そちらの事情ばかりを押し付けて…!」
人の命を軽んじる発言に頭に血が上り
その場をしんと静まり返すほどの勢いで
彼女は総司に声を荒げた。
A「そもそも俺達がこうなったのは
隠したい存在…とでも言うべき奴らの
管理が不十分で起きた始末なのだから
すべて貴様らの自業自得ではないのか!?」
「「「──!!?」」」
Aが感情のままに声を張り上げると、
“隠したい存在”という発言に
その場の新選組の一同が僅かに動揺した。
つまりそれは、彼女の憶測が
ゆるぎない真実であることを物語っている。
総司「……そんなに怖い顔しないでよ。
今のはただの冗談だから」
一「冗談に聞こえる冗談を言え」
千鶴「お願いです!!私もAさんも
絶対に誰にも何も言いませんから…っ!」
土方「……もういい。連れて行け」
その言葉を受けて、一は無言で立ち上がり
千鶴とAの襟首を掴み
可及的速やかに部屋を出ようとした。
千鶴「え…お願いします!
助けてくださいっ!!」
──バシィ!
A「おい、斎藤とやら!!
この子はもっと丁重に扱え!」
自由の利かない手の代わりにAは
千鶴を掴む一の手を足で器用に払った。
千鶴「Aさん…!」
すると、一もそれからは
無理に引っ張るようなことはしなかった。
一「己達のために最悪を想定しておけ。
さして良いようには転ばない」
そう言い残し、彼女らを
元いた部屋に押し込めてその場を後にする。
**********
続く
ラッキー人物
藤堂平助 祭りに行ったら、手をつないで一緒に楽しんじゃお☆
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亜紀野ユキ(プロフ) - 彩豊さん» ありがとうございます(*´ー`*) (2022年10月26日 14時) (レス) id: 737b70383c (このIDを非表示/違反報告)
彩豊(プロフ) - こんにちは!凄くおもしろかったです!これからどんな展開になるか気になります_:(´ཀ`」 ∠):更新頑張ってください!応援してます☆彡 (2022年10月21日 19時) (レス) @page50 id: 72022c3b56 (このIDを非表示/違反報告)
亜紀野ユキ(プロフ) - 綵河さん» 薫くん良いですよね~♪僕も薫くんの生意気そうで寂しがり屋なところが愛らしいと思っています!!!!この小説でも早く登場させたいと思ってます!!!!!! (2016年8月10日 16時) (レス) id: f4bec4ec63 (このIDを非表示/違反報告)
綵河 - もっとたくさん薄桜鬼シリーズを書いてくれると読む気がわいてきます!ちなみに私は【南雲薫】の占いツクールを書いてくれると嬉しいです♪♪ (2014年3月31日 9時) (レス) id: 6ae65de84b (このIDを非表示/違反報告)
亜紀野ユキ(プロフ) - 玲名さん» お世辞でも嬉しいです!!僕はとにかく小説を書くとき、いつも読者様たちの立場になったつもりで「どう書けば伝わるか」を考えながら書いています♪とはいっても、僕より素晴らしい作者様たちはたくさんいますが… (2013年12月16日 21時) (レス) id: 806d6ba1fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:亜紀野ユキ | 作成日時:2013年2月3日 22時