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五話 幹部達とは… ページ6

井上「そうだよ。
 ちょっと来てくれるかい?」


井上がそう言うと、
千鶴は再び不安げな表情でAを見た。


──ぎゅ…っ


そんな彼女の手を無言で握る。


A「大丈夫…きみは俺が守るから。
 (我ながら情けないが刀も奪われた手前、
 今は大人しく彼らに従った方が良い…)」


千鶴「は、はいっ…!」


その心地の良い体温と力強い言葉に
千鶴の不安は僅かに軽くなる。


やがて二人は──…

手を縄で前に縛り直された状態で
井上に連れて行かれた。



* * *



井上「さあ、入って」


──ス…ッ

井上が障子を開けた先には数名の男達がいた。


総司「おはよう。昨夜はよく眠れた?」


千鶴「あっ!」


A (たしか……こいつは
 昨日の三人のうちの一人だったな)


見覚えのある、その顔を見て
千鶴は小さく声を上げ
Aは微かに眉をひそめた。


総司「…みたいだね。顔に畳の痕がついてるよ」


千鶴「えっ!?」


からかったその口調を千鶴は真に受ける。

見かねたAが
事実を伝えようとするが、


一「よせ、総司。本気にしている。
 畳の痕などついちゃいない」


一の静かな声に先を越された。


A (こいつもあの場にいた…
 というか、こいつには手刀の恨みがあるな)


総司「ひどいな、一くん。
 ばらさなくてもいいのに…」


人を馬鹿にしたような総司の態度に
Aは心底腹が立ったが、
この時ばかりは温厚な千鶴もむっとした。


土方「お前ら!
 無駄口ばっかたたいてんじゃねーよ」


総司「はーい」


土方の説教に不満そうに総司が返事をする。

すると──…


「で、そいつらが目撃者?
 二人とも小っちゃいし細っこいなー。
 まだガキじゃん?」


猫のようなつり目をした小柄な少年が
おもむろに口を開いた。


A (なんだと……!)


実際、彼の方がAより背が高く
年齢も上だが、子供扱いされるのを嫌って
Aはぴくりと眉をつり上げる。

少年らしさの残る彼にだけは
言われたくない…と。


ちなみに──…

彼女らは室内で拘束されていたため
当然、履き物はない。


よって、身長を大きく見せている
厚底の下駄がないために
今のAはかなり小さく見えた。

実は、千鶴と大差ない背丈である。


A (下駄さえあれば…っ!!)



**********


続く

六話 俺はきみを守るよ…→←四話 俺達の運命は…


ラッキー人物

藤堂平助 祭りに行ったら、手をつないで一緒に楽しんじゃお☆


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亜紀野ユキ(プロフ) - 彩豊さん» ありがとうございます(*´ー`*) (2022年10月26日 14時) (レス) id: 737b70383c (このIDを非表示/違反報告)
彩豊(プロフ) - こんにちは!凄くおもしろかったです!これからどんな展開になるか気になります_:(´ཀ`」 ∠):更新頑張ってください!応援してます☆彡 (2022年10月21日 19時) (レス) @page50 id: 72022c3b56 (このIDを非表示/違反報告)
亜紀野ユキ(プロフ) - 綵河さん» 薫くん良いですよね~♪僕も薫くんの生意気そうで寂しがり屋なところが愛らしいと思っています!!!!この小説でも早く登場させたいと思ってます!!!!!! (2016年8月10日 16時) (レス) id: f4bec4ec63 (このIDを非表示/違反報告)
綵河 - もっとたくさん薄桜鬼シリーズを書いてくれると読む気がわいてきます!ちなみに私は【南雲薫】の占いツクールを書いてくれると嬉しいです♪♪ (2014年3月31日 9時) (レス) id: 6ae65de84b (このIDを非表示/違反報告)
亜紀野ユキ(プロフ) - 玲名さん» お世辞でも嬉しいです!!僕はとにかく小説を書くとき、いつも読者様たちの立場になったつもりで「どう書けば伝わるか」を考えながら書いています♪とはいっても、僕より素晴らしい作者様たちはたくさんいますが… (2013年12月16日 21時) (レス) id: 806d6ba1fe (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:亜紀野ユキ | 作成日時:2013年2月3日 22時

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