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四十八話 怒りじゃなくて… ページ49

──くるっ…


腹をくくって平助は勢いよく振り返り
そのまま土下座するくらい深く頭を下げる。


平助「ご、ごめんっ!!
 ただ本当にそう思っただけで
 馬鹿にしてるんじゃ…な………!」


謝罪しながら少し顔を上げて
Aの表情を窺い言葉を失くした。

彼女はけして
鬼のような形相をしていたわけでも
刀を抜いて臨戦態勢に入ったわけでもない。


それ以上に──…

彼の不意を突いた反応をしていた。


A「……そのように言われると…
 さすがに恥ずかしい……っ」


なんとAは、
恥じらう表情を見られないように
手で口元を覆っていたのだ。

しかし、真っ赤な顔は
全くと言って良いほど隠しきれていない。


これには平助も思考が停止した。


平助「え、ちょ……えっ?!(か、可愛い…)」


雪のように色白な肌に映える
真っ赤に熟した林檎のように染まる頬──…

伏し目がちな潤んだ瞳に
即席で簪によって飾り立てられた
艶のある綺麗な髪──…


その姿は、ただ“美しい”と言うだけでは
物足りないほどに
妖艶な魅力をにじませている。


このような表情のAを見て
誰が心を揺さぶられないだろうか…?


いや──そんな者はいない。


A「つ…次…妙なことを言えば
 許さないからなっ!」


つけられた簪を乱雑に外して元の棚へ戻し、
睨みを利かせて彼にそう言い捨てる。

そのまま、最初から目をつけていた
千鶴への手土産の簪を握りしめて
Aは店の奥に足を進めていった。


しかし、赤いままの顔では
恐ろしさなど感じるはずもない。


むしろ──…


平助「あ、ごめんな……
 (怖いっつーより可愛いんだけど…!)」


隠されていた彼女の魅力を
平助にこれでもかというくらいに
見せつけることとなった。

つられて赤くなった
彼の頬がそれを物語っている。



**********


続く

四十九話 偶然とは恐ろしいものだ… & 続編のお知らせ→←四十七話 今なら俺にも分かる…


ラッキー人物

藤堂平助 祭りに行ったら、手をつないで一緒に楽しんじゃお☆


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亜紀野ユキ(プロフ) - 彩豊さん» ありがとうございます(*´ー`*) (2022年10月26日 14時) (レス) id: 737b70383c (このIDを非表示/違反報告)
彩豊(プロフ) - こんにちは!凄くおもしろかったです!これからどんな展開になるか気になります_:(´ཀ`」 ∠):更新頑張ってください!応援してます☆彡 (2022年10月21日 19時) (レス) @page50 id: 72022c3b56 (このIDを非表示/違反報告)
亜紀野ユキ(プロフ) - 綵河さん» 薫くん良いですよね~♪僕も薫くんの生意気そうで寂しがり屋なところが愛らしいと思っています!!!!この小説でも早く登場させたいと思ってます!!!!!! (2016年8月10日 16時) (レス) id: f4bec4ec63 (このIDを非表示/違反報告)
綵河 - もっとたくさん薄桜鬼シリーズを書いてくれると読む気がわいてきます!ちなみに私は【南雲薫】の占いツクールを書いてくれると嬉しいです♪♪ (2014年3月31日 9時) (レス) id: 6ae65de84b (このIDを非表示/違反報告)
亜紀野ユキ(プロフ) - 玲名さん» お世辞でも嬉しいです!!僕はとにかく小説を書くとき、いつも読者様たちの立場になったつもりで「どう書けば伝わるか」を考えながら書いています♪とはいっても、僕より素晴らしい作者様たちはたくさんいますが… (2013年12月16日 21時) (レス) id: 806d6ba1fe (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:亜紀野ユキ | 作成日時:2013年2月3日 22時

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