二十四話 この感情は何だ？ ページ26
＊ ＊ ＊
「それでね、煉獄さん本当に素敵なの！」
「わう」
この感動を語れる相手が他にいなくて
煉獄家から離れた山奥で
きなこに聞き役になってもらった。
「つまり私って炭治郎の同期組の
善逸、玄弥、カナヲと同い年だよ！？
すごい世代じゃん！
まさに鬼殺隊の第７世代！！」
「……わう」
きなこ…なんか疲れてる……ごめん。
「あーあ…いっそのこと全財産
さつまいもにして貢ぎたい！！
煉獄家に直送便お願いしまーす！」
呪いが解けない限り
ここら辺をうろつくわけもいかないから
無理なのはわかってるけど。
すると、
【煉獄家に送る品物を選択してください】
久しぶりに聞いた音声案内が耳に響く。
え…アイテムボックスさんそこまで有能なの？
宅配機能まであるの！？
「これからは
遠方からも推しに貢げるだと…！？」
一方的だけど彼らと繋がりが持てることに
私は歓喜で震え上がった。
＊ ＊ ＊
【目線なし】
一方、残された杏寿郎と瑠火は
呆然とAの去った方向を見つめていた。
「そんな……あの子が
母上の治療をしてくれたなんて…」
母から聞いた事情に
杏寿郎はがっくりと肩を落とす。
それが真実だと確信が持てるほどに
瑠火の顔は血色が良くなり
幼い彼の目にも生命力が感じられた。
だからこそ、罪悪感に胸が締め付けられる。
「Aさんは許してくれますよ」
「しかし、俺があの子を
泣かせてしまったことは変わりません！
次はいつ会えますか？
お礼をしてきちんと謝りたいです！」
「きっと…しばらく会えないでしょう」
これからも一人、危険な道を進む
彼女が心配になる。
まるで娘を思うように瑠火は
夜の真っ暗闇にAの顔を思い浮かべた。
「そんな…」
“っ…！……ごめ…なさ…っ”
あのときの真珠のように輝いた涙と
こちらをまっすぐ見つめる
漆黒の大きな瞳の美しさが忘れられない。
“…………会えて嬉しかったです…っ”
子供らしからぬ自嘲に満ちた笑みが
杏寿郎の頭に焼きついて胸を焦がす。
「俺はあの子ともう一度会いたいです！」
「母もです。早く元気になった姿を
見せなくてはなりません」
この感情は──…
罪悪感…？
それとも、別の感情……なのだろうか。
その後、煉獄家には
定期的に短い手紙とともにAから
貢ぎ物が送られるようになった。
そのほとんどは
杏寿郎の好物のさつまいもである。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
続く
ラッキーアイテム
ピカピカどんぐり 伊之助に子分と認められます！
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亜紀野ユキ(プロフ) - 茨の谷の第2王子(ヲタク)←王子がそれでいいのかさん» そちらもご閲覧ありがとうございます(*^ω^) (2022年10月26日 14時) (
レス) id: 737b70383c (このIDを非表示/違反報告)
茨の谷の第2王子(ヲタク)←王子がそれでいいのか - リボーンの作品書いてたの作者様だったのですね！あの作品とても面白くて好きです！ (2022年9月28日 22時) (レス) id: 304b99e4d1 (このIDを非表示/違反報告)
亜紀野ユキ(プロフ) - Zxcvbnm9090さん» (*´∀｀*)ﾎﾟｯ…ありがとうございます!!頑張りますb (2021年11月20日 12時) (レス) id: 737b70383c (このIDを非表示/違反報告)
Zxcvbnm9090(プロフ) - 鬼設定がまず面白い上に主人公のキャラが好きです！！推しのために貢ぐ笑最高でした！これからも楽しみにしてます！！ (2021年11月20日 9時) (レス) @page47 id: 2e6009ddad (このIDを非表示/違反報告)
亜紀野ユキ(プロフ) - フランとベルさん» ありがとうございます(*´ω｀*)ﾃﾚｯ (2021年11月13日 7時) (レス) id: 737b70383c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：亜紀野ユキ
| 作成日時：2021年9月10日 17時
