十一話 必死の無害アピール ページ13
すると──…
「うわあっ!」
「お、おい…!大丈夫か!?」
ドシャッと地面が崩れる音と
悲鳴が山奥に木霊する。
私は一度足を止めて振り返り
追手がいなくなったことを確認した。
状況から考えて一人が崖から落ちたよね…?
もし…仮にその人が死んだら
私が罪に問われるのでは…?
さあ、ここで私に選択肢を与えよう!
1、このまま逃げて追手を撒く
2、助けに行って無害アピール
……こんなの実質一択じゃーん。
私は人助けの旅をしてる鬼幼女だもん。
「どうか……斬り殺さないでね」
再び踵を返して、私は
バクバクと激しく打ち鳴らす心音を
ぐっと押さえながら元来た方へ引き返した。
そこには10メートルくらいの段差から
足を滑らせて一人が落ちて怪我をし、
もう一人が下へ駆けつけ応急処置している。
骨折してるっぽいし
血鬼術で治療してあげたいけど
彼らの手元の日輪刀がめっちゃ怖い。
あれで首斬られたら、ジ・エンド……
あれさえなければ……!
鬼って日輪刀じゃないと死なないもんね?
しのぶさんの毒は例外だけど。
あっ…!
日輪刀を奪っちゃえば?
────タタッ!
──ガッ!
──ガ…ッ!
「っ…!」
「しまった……!」
深く考える前に体が動いて、
私は猛スピードで二人のところへ向かい
それぞれの刀を蹴り飛ばした。
そして、
「日輪刀…回収!」
そう叫ぶと、日輪刀は
私のアイテムボックスへと消えていった。
か…勝った…!
「形成逆転……ですね?」
突然のことに二人は
目を丸くして放心していた。
やがて、正気に戻った一人が
怪我した方をかばって私の行く手を塞ぐ。
「食うなら俺からにしろ!!
親友の死ぬところなんて見たくない」
「ふざけんなっ!俺だってお前の
死ぬとこなんか耐えられるわけねーだろ!!
せめてお前だけでも……っ」
お、お前ら……
────二人そろっていいヤツかよ?!
鬼に対しては虫けら以下の扱いだけど
死を覚悟して友達を守ろうとする
めちゃくちゃいいヤツらだよ!
ぶっちゃけ鬼殺隊の隊員は
主要キャラのような良い人ばかりではない。
那田蜘蛛山で累に細切れにされて
殺された通称サイコロステーキ先輩や
あの自尊心の塊の獪岳もいる。
あいつらは好きになれないけど
私はこの二人の好感度バク上がりだ。
**********
続く
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亜紀野ユキ(プロフ) - 茨の谷の第2王子(ヲタク)←王子がそれでいいのかさん» そちらもご閲覧ありがとうございます(*^ω^) (2022年10月26日 14時) (レス) id: 737b70383c (このIDを非表示/違反報告)
茨の谷の第2王子(ヲタク)←王子がそれでいいのか - リボーンの作品書いてたの作者様だったのですね!あの作品とても面白くて好きです! (2022年9月28日 22時) (レス) id: 304b99e4d1 (このIDを非表示/違反報告)
亜紀野ユキ(プロフ) - Zxcvbnm9090さん» (*´∀`*)ポッ…ありがとうございます!!頑張りますb (2021年11月20日 12時) (レス) id: 737b70383c (このIDを非表示/違反報告)
Zxcvbnm9090(プロフ) - 鬼設定がまず面白い上に主人公のキャラが好きです!!推しのために貢ぐ笑最高でした!これからも楽しみにしてます!! (2021年11月20日 9時) (レス) @page47 id: 2e6009ddad (このIDを非表示/違反報告)
亜紀野ユキ(プロフ) - フランとベルさん» ありがとうございます(*´ω`*)テレッ (2021年11月13日 7時) (レス) id: 737b70383c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:亜紀野ユキ | 作成日時:2021年9月10日 17時