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百九十八話 いい仕事します ページ4

「はい、鏑丸君をお返しします」


傍目にはただ戯れてるように
鏑丸に作戦の内容を簡潔に話して返した。

あとは君の仕事にかかってるぞ。


「(じゃあ、次は…)っ……きゃあっ!!」


「っ…!?」


やがて、次の皿を引き寄せようとした
蜜璃さんが悲鳴をあげると同時に
伊黒さんも無言で目を見張って驚く。

隣に座る二人の手が近付いたタイミングで
鏑丸が彼らの腕に絡みついたのだ。


「っ…鏑丸!急にどうした!?」


「か…鏑丸く…ん?」


伊黒さんと蜜璃さんが目を向けるが
彼は知らん顔して二人に絡んだままでいる。


ふっ……計画通り。

なんて素晴らしい仕事っぷりだ…!
これからは鏑丸センパイと呼ばせてもらおう。


「お二人の体温が心地いいのかな?
 仲良し親子みたいで可愛いー」


気持ち悪いくらいニヤけそうな顔の筋肉を
人様に見せられるレベルまで堪えて
純真な幼子らしく振る舞ってみせる。

色気ゼロで子供っぽいのも役立つんだよ!


「Aちゃん…なに言って…っ」


「でもね、鏑丸センパイ。
 蜜璃さんのごはんを邪魔しちゃダメだよ?
 責任とって伊黒さんがお手伝いしなきゃ」


戸惑う蜜璃さんの声を聞こえぬふりして
今度は伊黒さんに目を向けた。

それに彼は目を限界まで開いて
睨むように抗議の視線を送る。

しかし、負けじと私も精一杯怖い顔をした。


(蛇に睨まれた蛙ならぬ
 蛇を睨み返すリスか……愛らしいな)


──ぽん…っ

うみゃあああーっ!!!
脈絡もなく杏寿郎さんに頭を撫でられた!?

今は二人の恋路を見守りたいのに
集中できなくなっちゃうからやめてー!


「っ……鏑丸が突然すまない。
 次はこれを食べるつもりだったのか…?」


「へ!?は、はい…っ」


長い沈黙を経て伊黒さんが腹を決め
蜜璃さんの前に大盛りのオムライスを寄せる。

片手では食べにくいだろうと気遣って
緊張でガクガク震えてるが
れんげを持って“あーん”の構えだ。

だ、誰かスマホかカメラ持ってない!?


「お待たせ致しました。
 さつまいもの特盛パフェでございます」


なぬっ?!

一瞬たりとも見逃せぬと二人を凝視したのに
その声で集中が途切れる。

さつまいもの特盛パフェ食べるとか…最高かよ。


「……ようやくこちらを見てくれた」


「え…?」


ウエイトレスさんからパフェを受け取りつつ
杏寿郎さんがぽつりと呟く。

さりげなく盗み見たつもりだったのに
バッチリ目が合ってしまった。



**********


続く

百九十九話 これが彼らの日常→←百九十七話 いっぱい食べる君


煉獄さんコレクション

煉獄先生 歴史と教育への熱心な姿勢にうっとり!黒板じゃなくて先生だけを見つめちゃうと怒られるよ


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亜紀野ユキ(プロフ) - ゆゆさん» ありがとうございます!続編もどうぞよろしく(^-^)/ (6月2日 0時) (レス) id: 737b70383c (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ(プロフ) - 久しぶりに作品見に来たらたくさん更新されててめっちゃ嬉しかったです!堕姫ちゃんとの関係のところで涙出ました...知らぬ知らぬうちに関係が深まっていって...(泣)来世のお話もすっごく良かったです。みんな幸せになって欲しいな...この作品をずっと応援してます! (6月1日 19時) (レス) @page40 id: 2307c0fefd (このIDを非表示/違反報告)
亜紀野ユキ(プロフ) - みっささん» 嬉しいです!近日中にまた更新します_〆(゚▽゚*) (5月8日 18時) (レス) id: 737b70383c (このIDを非表示/違反報告)
みっさ - 初コメ失礼します!面白くて優しくて可愛いヒロインちゃんって神では!???何時も楽しく見させていただいてます!ゆっくりでいいので更新がんばってください! (5月8日 16時) (レス) @page47 id: 0ca1847e23 (このIDを非表示/違反報告)
亜紀野ユキ(プロフ) - あさん» 頑張ります(〃ω〃)ポッ (5月8日 1時) (レス) id: 737b70383c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:亜紀野ユキ | 作成日時:2023年2月1日 16時

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