【鬼滅の刃】人生ハードモードでも貴方の生存ルート追い求めます！伍【煉獄杏寿郎】

二百十三話　緊迫の二次面接！ ページ19

イィヤァアア──ッ！！

目の前の男を認識して
よく知るタンポポくんのように
汚い高音で叫びたくなった。


「堕姫」


「はい…はい、無惨様！！」


蕨姫…いや、今は堕姫様と呼ぶべきか。
堕姫様が媚びるようにハキハキ返事する。


「私はお前に期待しているんだ。
　お前は誰よりも美しい。そして強い。
　柱を七人葬った」


私などまるで目に入ってないかのように
性根の腐った天パ…鬼舞辻無惨が
赤く染まる頬を両手で包んで囁いた。


「これからももっともっと強くなる
　残酷になる特別な鬼だ」


これは原作で知ってるくだりだが
私が言いたいのはただ一つ。

───男の趣味が悪いぞ、堕姫様っ！！


こんな冷徹男の口先だけの
特別扱いなんかに騙されないで！

私を無能と貶めることで
堕姫様は特別って印象付けたいだけだ。


財力もカリスマ性もあって顔も良いけど
その実…ハラスメントの権化だよ。

クズ男もイケメンに限って許されがちだけど
こんなやつ上司としても彼氏としても
ぜーったいオススメしないんだから！！


堕姫様には優しくて誠実で容姿も申し分ない
尽くしてくれるタイプの男性が合ってる。

堕姫様はもちろん妓夫太郎兄さんのことも
尊重して仲良くできる人じゃないと…


「さて……久しく見ぬ顔だな、共喰い鬼よ」


すっかり思考が明後日の方向に飛んだ頃
無惨がこちらへ目を向けて
死と隣り合わせの現実がやってきた。


辞世の句どうすっかなー…って、落ち着け私！

世を儚む前に生き残るためにやるべきは
無能じゃないアピールと
忠誠心があると装うことだ。


「今生にて再び逢いまみえることが叶い
　大変嬉しく存じます」


畳に額を擦りつけて笑顔を作ってから
ゆっくりと顔を上げた。

死ぬ気で被るのよ、ガラスの仮面！


すでに私がバカなのを知ってる堕姫様は
急に変わった雰囲気に目を丸めた。

いや、誰がバカじゃい。


「貴様を見るに期待はできぬが
　この十年の成果を聞くとしようか」


労働組合に駆け込みたいほど
腹立つ尊大な態度だけど
一応言い訳の時間はくれるらしい。

便利と評価されて手元に置かれたくないから
奥の手(アイテムボックス)はまだ隠そう。


他で自己PRするなら…


「ご期待に沿えずお詫びの言葉もないほど
　申し訳ない限りにございます。
　この十年…私は環境の順応に挑みました」


「ほお…具体的には？」


少しは興味を引けたらしく
片眉を上げて無惨が聞き返した。



＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊


続く

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煉獄先生　歴史と教育への熱心な姿勢にうっとり！黒板じゃなくて先生だけを見つめちゃうと怒られるよ

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