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二百五話 囚われた先で ページ11

こんなお子さま体型を縛って
何が楽しい…って、
よく見たら縛り方が全然ちゃうわ。

ささやかな膨らみがギッチギチに潰されて
まっ平らになっとるやないかい!

これで胸の成長止まったら一生恨むぞ!!


「まあ…反抗的な目だこと。
 一緒に来てもらうわよ」


ちょっ…この展開は完全に予想外。

十年ほど無惨のことシカトしてんだけど
私って上弦からどう思われてんの?

ひょっとして、このまま粛清されちゃう…?



* * *



やがて、場所は把握してたけど
遠くから眺めるだけの京極屋へ強制連行だ。

帯に仕舞われてひらひら漂って
目的地に着き、ようやく出してもらえた。


「ふぅん……あのときのチビが
 なかなか小綺麗に育ったじゃない」


その場にへたり込む私のあごを掴み
絶世の美女が無理矢理顔を上げさせて
品定めするように見回した。

帯の拘束は解かれたけど
無意味なので逃げる気力はすでにない。


「アタシの城へようこそ共喰い鬼さん」


「ふつくし……っ」


きらびやかな花魁姿での艶やかな作り笑顔が
拝みたくなるほど眩しい。

また再びガラスの仮面を被って
悪女を演じるとこだろうに
バカ丸出しの素が前面に出てしまった。


「は?」


「失礼致しました…ご無沙汰しております。
 上弦の陸様もお変わりございませんか」


訝しげに首を傾げる堕姫様を見て
何事もなかったように平静を装って微笑む。

けど……あごを掴まれたままで
美しい顔がすっごく近いし
目も離してくれなくて…顔が熱くなる…っ


「虫も殺せないようなあどけない顔して
 共喰いなんて悪食してるのよね、お前」


あ、そういやそんな設定でした。

この美貌に惑わされてる場合じゃなくて
ちゃんとそのつもりで
悪女らしい振る舞いをしなくては…!


「悪食だなんて……好みの範疇ですわ。
 同胞の味が一番口に合いますの」


「……ふぅん」


私の精一杯の悪女っぽい言葉を受けて
堕姫様が目の前に腰を下ろす。


次の瞬間、

───ガリ…ッ


「いっだあっ!!」


右肩にとてつもない痛みを感じて
わけもわからず叫んでいた。

慌てて肩に顔を埋めてる彼女を
引き離そうとするが
貧弱な私の腕力じゃびくともしない。


「やっ…堕姫様……な…にっ」


「静かにしなさい」


抗議の声は帯で口を塞がれて阻まれた。

身動きもとれず抵抗らしい抵抗もできなくて
かえって頭だけが冷静に回る。


─────私は今…堕姫様に喰われてる。



**********


続く

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煉獄さんコレクション

煉獄先生 歴史と教育への熱心な姿勢にうっとり!黒板じゃなくて先生だけを見つめちゃうと怒られるよ


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亜紀野ユキ(プロフ) - ゆゆさん» ありがとうございます!続編もどうぞよろしく(^-^)/ (6月2日 0時) (レス) id: 737b70383c (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ(プロフ) - 久しぶりに作品見に来たらたくさん更新されててめっちゃ嬉しかったです!堕姫ちゃんとの関係のところで涙出ました...知らぬ知らぬうちに関係が深まっていって...(泣)来世のお話もすっごく良かったです。みんな幸せになって欲しいな...この作品をずっと応援してます! (6月1日 19時) (レス) @page40 id: 2307c0fefd (このIDを非表示/違反報告)
亜紀野ユキ(プロフ) - みっささん» 嬉しいです!近日中にまた更新します_〆(゚▽゚*) (5月8日 18時) (レス) id: 737b70383c (このIDを非表示/違反報告)
みっさ - 初コメ失礼します!面白くて優しくて可愛いヒロインちゃんって神では!???何時も楽しく見させていただいてます!ゆっくりでいいので更新がんばってください! (5月8日 16時) (レス) @page47 id: 0ca1847e23 (このIDを非表示/違反報告)
亜紀野ユキ(プロフ) - あさん» 頑張ります(〃ω〃)ポッ (5月8日 1時) (レス) id: 737b70383c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:亜紀野ユキ | 作成日時:2023年2月1日 16時

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