【鬼滅の刃】人生ハードモードでも貴方の生存ルート追い求めます！肆【煉獄杏寿郎】

百五十一話　蛇柱は同志 ページ6

犬…って、きなこと
そのベイビーたちのこと？

それがどう関係して……あっ！！


たしか公式ファンブックの一コマに
柱はどんな動物が好きかという問答があった。

そこで冨岡さんは昔
犬にお尻を咬まれたことがあるから
動物全般NGと書かれてたような…


てことは、私のせいで冨岡さんが
恩師と疎遠になっちゃうかもしれないの！？


「うちのきなこは社交的だから咬みませんよ！
　今なら可愛い毛玉が三つも見れますし」


声高に宣伝すると
冨岡さんは少し目を泳がせて悩んだ末に、


「……いずれ立ち寄る」


迷いながらもたしかにそう返答した。


───よしっ言質はもらったぞ！


そこに錆兎さんを招集しよう。

鱗滝さんや我が愛犬たちで退路をふさぎ
“どきっ仲直りしないと出られない部屋”を
物理的に作ってしまうのはどう？


これなら仲直り間違いなし！！


「突然の訪問は困るかもなので
　お寄りの際は鱗滝さんにご一報ください」


思いついた完璧な計画に自然と口元が緩む。

さあさ、切り替えなくっちゃ！


「では、お初にお目にかかります。
　初めまして伊黒小芭内さん」


折りたいフラグは山ほどあるけど
守りたいというか成就させたいフラグもある。

それは彼と蜜璃さんの恋愛フラグだ。


「先代炎柱から少し聞いたことがある」


「槇寿郎おじさまから…？」


それがあったから初対面だけど
彼からはトゲが感じられなかったのか。

私は大したことしてないけどね。


「私は鬼だから自分は食べられない分
　誰かが美味しく食べてるのが好きで
　とくにいっぱい食べる人が好きなんです」


「激しく同意しよう」


やっぱりこの人も同志だー！！

煉獄さんと蜜璃さんの組み合わせは
元師範と継子でありともによく食べる気質で
仲の良い兄妹感がスゴい。


微笑ましいと思う反面
ちょっぴりヤキモチ妬いちゃうのだ。


「お近づきのしるしにこちらを」


スッ…と小さく折り畳んだ紙を手渡す。


「これは…？」


「開店したての西洋割烹料理屋の広告です。
　現在アベック割引中で
　とくに甘味にこだわってるそうで」


誰にも聞かれないよう小声で耳打ちした。


「あ、アベックとは男女二人組のことです。
　それを口実に蜜璃さんと行ってください」


その言葉に伊黒さんの目が
生気に溢れて輝いた気がする。


「心遣いに深く感謝する」


渡した広告を大事そうに懐に仕舞って
晴れやかにお礼を言ってくれた。



＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊


続く

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