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百七十六話 速報を皆へ届けて ページ31

そこへ、


「あの……A姉ちゃん」


遠慮がちに声をかけられて振り返ると
炭治郎、伊之助、善逸が
少し離れたところから見ていた。


がく…っ

己に残された使命を果たすべく
立ち上がりかけたAが膝から崩れる。


「みぎゃあああ〜っ!!!
 い、いつから見てたのー!?」


「ごめん。最初から」


杏寿郎とAの醸し出す空気に
話しかける頃合いがわからなかったのだ。


「この正直者めっ!!日本一の長男っ!!
 とにかく治療するからそこへ直れ!」


身内にとんでもない場面を
一部始終見られていたという事実に
羞恥心が最高潮を迎える。

しかし、特に重傷の炭治郎が心配で
目の前の怪我と向き合った。


「メスの顔してんな」


「生々しい言い方すんなバカ猪っ!!」


Aもこのときばかりは
善逸のツッコミスキルに深く感謝する。


途端に、普段の騒々しくて賑やかな雰囲気だ。

けれども、
三人も改めて杏寿郎の無事を実感すると
ぶわっと大粒の涙が溢れた。

この短時間で三人からここまで慕われるとは
彼の人柄と人望の厚さがよくわかる。


それを噛みしめながらAは
残された怪我人の治療に明け暮れた。

炭治郎の心に触れて
元の優しさを取り戻した結核の青年の治癒も。


やがて、


「あのね…炭ちゃん」


自分のやるべきことを全うしてから
Aは再び炭治郎と向き合う。


「さっきのが夢じゃないか確認したいから
 私に思いっきり頭突きしてくれない?」


突拍子もないお願いに戸惑ったものの
判断が遅いのは駄目という教えから
炭治郎は二つ返事でAの額に頭突いた。


─────ゴギャン…ッ!!!

凄まじい音とともに彼女は意識を手放した。

そして、隠によって炭治郎らとともに
蝶屋敷へ運ばれることとなる。


「音ヤバくない!?
 Aちゃ…Aちゃーん!!」


ちなみに───…

その後、杏寿郎の鎹鴉の要(かなめ)によって
全てはお館様や柱たちへすぐ伝わった。


「杏寿郎様!!オメデトウ!オメデトウ!
 Aガ煉獄家ヘ嫁イリ!嫁イリー!!」


……しかし、色々と話が飛躍していた。



**********


続く

映画で泣けるシーンは沢山ですが
個人的には煉獄さんの死を確認して
報告のため鎹鴉が飛び立って涙を溢したのが
一番感情を揺さぶられました
映画館で「かなめぇ…っ」と唸るほどに。
主のように己の責務を全うして偉い!!

だから要には良い報告をさせたくて…(´;ω;`)

百七十七話 妄想と現実の狭間→←百七十五話 目が覚めたら…


ラッキーアイテム

さつまいも 煉獄さんに貢ぎましょう!!


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亜紀野ユキ(プロフ) - 桜井直(なお)さん» ありがとうございます(´ω`*)コツコツ頑張ります (2023年1月29日 12時) (レス) id: 737b70383c (このIDを非表示/違反報告)
桜井直(なお)(プロフ) - 亜紀野ユキさん» ヒロイン、可愛い。。作者さんは天才!こんないいお話を!続編待ってます! (2023年1月29日 10時) (レス) @page50 id: f84b7d123d (このIDを非表示/違反報告)
亜紀野ユキ(プロフ) - 綺羅さん» わっしょいなご祝儀ですね(*´∀`)占いコーナーまでご閲覧嬉しいです (2023年1月18日 21時) (レス) id: 737b70383c (このIDを非表示/違反報告)
亜紀野ユキ(プロフ) - kanayamamoto112さん» こんな子ならストーカー気質でも推せますね(*´ω`*)ほっこり (2023年1月18日 21時) (レス) id: 737b70383c (このIDを非表示/違反報告)
綺羅(プロフ) - 尊いッ!!見ていて癒やされます、御馳走様です(笑)ご祝儀はサツマイモでも…(笑)そして占いのおはぎに笑いました(笑)一か八かでずんだにして持って行ってみます!← (2023年1月18日 21時) (レス) id: fcc9d08bef (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:亜紀野ユキ | 作成日時:2022年9月7日 17時

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