百四十八話 お館様の往診を! ページ3
すると、
「──実弥。下の子に
意地悪をしてはいけないと言ったろう」
「御意…」
見かねたお館様が呼びかけると
不死川さんは即座に私の頭から手を放した。
さっすがお館様!!
「思ったより仲が良くて安心したよ」
穏やかな微笑とともに発せられた言葉に
複雑そうな顔で不死川さんは何か言いたげだ。
私だって本当は
「全然仲良くないです!この人怖ーい」
…って主張したいところだ。
不死川さんと違って私は大人だから
お澄ましした笑顔でいられますけど。
「では、Aが提供してくれた情報を踏まえ
今後について話を進めようか」
おお…っ!
お館様と柱の皆さんで頭を働かせて
今後の策を講じるんですね!?
行き当たりばったりになりがちな私と違って
組織的なカッコいいやりとりだ。
「では、お邪魔になりませぬよう
お館様の治療をさせていただきまして
一足先に部外者はお暇します」
挙手して発言すると
皆から意外そうな視線を集めた。
申し訳ないけれども
私は原作の流れをできるだけ歪めないよう
立ち回りたいのである。
何らかの役目を与えられたら全力で挑むけど
それまでは下手に交ざらない方がいい。
「Aを部外者だなんて思ったことないよ」
「ですが、戦闘において役立たずなのと
作戦を考える頭がないのは事実です」
お館様のそばに移動して
私は白い光が出てくるのを待ちながら言う。
トトロのようにいつでも現れるわけではない
その頼りない白い光を待っていると
じわじわと進行している呪いに目が行く。
どうせ医療チートがあるなら
お館様も完治すればいいのに…。
一刻も早く無惨を倒さなきゃと思わされる。
「Aは変なところで一歩退くんだね」
「もともと陰で動くのが好きなんです。
けど、今日お邪魔したことで
柱の方々と顔合わせできてよかったです!」
トントン…トントン…
少し寂しそうに笑いかけるお館様に返答して
やっと仄かに現れた白い光に鍼を打つ。
少しでも呪いの進行が遅くなって
長く平穏無事でいられますように…!
お館様の最期だって絶対変えてやる…!
「よし…!治療は終わりました。
少し確認したいことがあって…
最後に皆さんと話してもいいですか?」
「ゆっくりするといいよ」
「ありがとうございます!」
それぞれ原作との差異を知りたいし
お久しぶりや初めましての人も居るから
一人一人とお話ししたい。
**********
続く
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亜紀野ユキ(プロフ) - 桜井直(なお)さん» ありがとうございます(´ω`*)コツコツ頑張ります (2023年1月29日 12時) (レス) id: 737b70383c (このIDを非表示/違反報告)
桜井直(なお)(プロフ) - 亜紀野ユキさん» ヒロイン、可愛い。。作者さんは天才!こんないいお話を!続編待ってます! (2023年1月29日 10時) (レス) @page50 id: f84b7d123d (このIDを非表示/違反報告)
亜紀野ユキ(プロフ) - 綺羅さん» わっしょいなご祝儀ですね(*´∀`)占いコーナーまでご閲覧嬉しいです (2023年1月18日 21時) (レス) id: 737b70383c (このIDを非表示/違反報告)
亜紀野ユキ(プロフ) - kanayamamoto112さん» こんな子ならストーカー気質でも推せますね(*´ω`*)ほっこり (2023年1月18日 21時) (レス) id: 737b70383c (このIDを非表示/違反報告)
綺羅(プロフ) - 尊いッ!!見ていて癒やされます、御馳走様です(笑)ご祝儀はサツマイモでも…(笑)そして占いのおはぎに笑いました(笑)一か八かでずんだにして持って行ってみます!← (2023年1月18日 21時) (レス) id: fcc9d08bef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:亜紀野ユキ | 作成日時:2022年9月7日 17時