【鬼滅の刃】人生ハードモードでも貴方の生存ルート追い求めます！肆【煉獄杏寿郎】

百五十七話　密かに計画する ページ12

すると、炭ちゃんが
思い出したように口を開く。


「でも…まさか冨岡さんと鱗滝さんが
　俺と禰豆子のために
　命を懸けてくれてたなんて……」


それはほんと感動しかない…！

ねこちゃんが人を襲ったら
揃って腹を斬りますって…男前すぎるやろ！！

とりあえず水の一門の皆さんは
鱗滝さんの家に集まって和気あいあいと
めちゃくちゃ家族団らんしてくれ！


「最高のお師匠と兄弟子だね」


「うん！」


その夢を叶えるためにも
あの二人をぜーったい仲直りさせないとね！

上手く冨岡さんと錆兎さんを会わせたら
お互い腹を割って話さないと
愛犬たちが一斉に冨岡さん咬むぞ…と脅そう。

その訓練もしとかなくちゃ……
きなこ、咬みつき攻撃！…って。


(なんだろ……A姉ちゃんが
　またよくわからないこと考えてるようだ)


(Aちゃんの音……
　悪戯企ててるときの子供のそれなんだけど)


浮かんだパーフェクトプランに
得意げな顔をしてると
二人が困ったように顔を合わせて笑ってる。


「ところで、伊之ちゃん。
　全然喋らないけど大丈夫？」


椅子から立ち上がって
伊之ちゃんのベッドの横に立ってみる。

人生初の挫折にしょんぼりしてるの
不謹慎だけど母性に刺さって可愛い。


「伊之助は喉を痛めてて
　あと今すごく落ち込んでて…」


「いつもあんな自信家なのに丸くなって
　おっかしいよね〜…ウィッヒヒッ」


善ちゃん、その笑い方やめて。


「ほーら、伊之ちゃん。
　喉に良いハッカ飴あげるよ〜
　口の中に風吹いて楽しいぞ」


口に飴を入れてあげようと
伊之ちゃんの被る猪の頭を取った。

すると、


「うぐ…っ！」


衝撃のあまり後退りしてしまう。

なんだこのしおらしい美少年は…！？

猪頭に見慣れたために
素顔の伊之ちゃんの落ち込んでる様子に
めちゃくちゃ驚いた。


「アカン…傾国の美女…いや、美少年だ…！
　美しすぎて目が耐えられん…っ」


震える手でなんとか飴を放り込み
封印するように猪頭を被せる。

これは人に見せちゃアカンやつや。


とりあえずピカピカどんぐりを
枕元に並べて元気づけよう！


(……子分うるせェ)


その一つを握り、じっと見つめて
伊之ちゃんがちょっと回復した気がする。


きみは元気で荒っぽいのがちょうどいい。

じゃないと視覚情報に惑わされて
薄幸の美少女(美少年)にしか見えんから！


こうして───…

蝶屋敷での療養と修業の日々が
幕を開けたのである。



＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊


続く

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