【鬼滅の刃】人生ハードモードでも貴方の生存ルート追い求めます！弐【煉獄杏寿郎】

五十一話　謎解きの時間だ ページ4

【Aの目線】


「では、お大事にしてください」


「すっかり身体が軽くなったよ。
　ありがとねぇ…あのおチビちゃんにも
　よろしく言っておくれ」


十六歳の姿になって
温泉で会ったおばあさんを治療してから
私は用意された客間に戻った。


「うーん……なんだろう…この違和感……」


治療して気付いたことがある。

あのおばあさんって怪我だけじゃなくて
毒物を長期間服用してるみたいなんだ。


だから、鍼治療はしたけれども
根本的な問題は解決できなかった。

自己治癒力を高めて蝕まれた身体を
ゆっくり快方に向かわせるのが関の山だ。


のちのねこちゃんの血鬼術の炎って
改めて思うとスゴいんだよなー…

あ、でもあれは鬼由来のもの限定だっけ？


いやいや…！
今そこは問題じゃないか。


「麓の人は知らない山奥に住む人たち……
　歴戦の傷や毒物を長期服用してる生活……
　あと、どこか見覚えのあるような
　将来が楽しみな美人のお姉さんたち」


何かがわかりそうなんだけど
私は東の名探偵じゃないからピンとこない。

この鍼は鍼灸針なのであって
腕時計に仕込む麻酔針ではないのだ。

あれれ〜おかしいぞー…って
問題提起はしても
サクッと謎を解いて解決には至らない。


「よーしっ！捜査は足で稼げ…
　本来の姿で辺りを探索だ！！」


最近はシリアスモードが続いたから
愛犬のきなこをアイテムボックスに
避難させっぱなしで退屈させてたし。

竈門家の近所にいた頃は
炭ちゃんたちにいっぱい遊んで貰ってたから
今はさぞや不満が溜まってるだろう。


調査の意味合いも込めて
ちょっと宿の周りを散歩しよう。


「きなこ、きみに決めたーっ！」


「わうんっ！」


外に出て、アイテムボックスから
捜査の助手を召喚する。


こうして──…
きなこ刑事とともに宿の周囲を調査した。


そこで、


「ふむふむ……ここら辺の木は
　人が登った形跡があるなぁ…」


「わうっ」


「きなこ刑事、何か見つけたの？」


私がそれっぽいことをしてると
きなこが元気よく呼びかける。


これはもしや…ここ掘れわんわん的な……

────うちの子、天才では？


「…って、マーキングかーい！」


しかし、私が観察してた木に
マーキングしたかっただけであった。

お約束のボケをありがとう。


まあ、いたいけな六歳児と犬に
探偵の真似事なんてそもそもムチャだよね。

もう細かいことは気にしないで
純粋に遊ぶとしよう。



＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊


続く

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ラッキー人物

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