45 さよなら ページ46
壊れたきっかけは、絶対これ。
「人に酔いそ」
『帰る？』
「何言ってんの、行く」
手をつないで歩いている私たちは、カップルなんだと思う。
普通にカップルだ。
それを口に出すと、
「この、おばかさん」
和くんが照れて、可愛い。
『ふふ、』
「Aってさ、綿菓子みたいだよね」
『え？』
「甘くて、甘くて、甘ったるいくらい」
『貶してるの？』
「でもって、ふわふわしてて、」
『っあ、』
こけそうになったのを、
当たり前のように支えられる。
「ったく、」
『ごめ、』
人込みから逃れて、
木陰に座る。
「切れてんじゃん」
『うそ...』
一応新品なのに、
ちょっと待ってて、って和くんが去っていく。
多分、代わりの何かを持ってくるか、
処置できる何かを持ってきてくれるんだと思う。
1人だと、なんだかとってもさみしい。
視界に映る想い合ってるコイビトたちが、
どれぐらいの奇跡なのかを、本人たちは知らないんだと思う。
「お嬢ちゃん一人？」
「うっわ、めっちゃ可愛いじゃん、」
そんな声と、下げた視界に入った二つの脚。
『一人じゃないです』
「えー、今一人でしょ？」
「何？彼氏ときてんの？」
ちょっと、ムカついたのかもしれない。
『婚約者です』
そんなことを口走った。
私は知らない、傷つく人がいることを。
「あはは、お嬢ちゃん冗談きついって、」
「そーだよ、行こ？楽しーことしよーよ」
「それとも今ここでやっちゃう？」
視界がだんだん、暗くなる。
和くんのバカ、早く来てよ、
「ごめ！待たせた！」
ぽろ、って涙が落ちた。
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あきんこ(プロフ) - ゆかりさん» 先生照れちゃいますよ(笑)いつも見ていただいて嬉しい限りです。 (2018年9月12日 17時) (
レス) id: 11450d0470 (このIDを非表示/違反報告)
ゆかり - 櫻井先生大好きです (2018年9月12日 10時) (レス) id: 8447f08366 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あきんこ
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=akinko0125
作成日時：2018年9月5日 19時
