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彼女が何も言わずに足を進めたのは、見るからに人気のない、視聴覚室。
入学したころは使っていたけれど、今は新しいプロジェクターが各教室に完備してあるから、
全く、と言っていいほど使われていないんだと思う。
カタン、って小さく音が聞こえた。
彼女には、聞こえなかったみたいで、
「ここにしましょう、」
そんな風に言う。
『人がいないから、この辺でもいいでしょう？』
入ったら、ダメだと思った。
まさか、とは思ったけれど、気づけて良かった。
「入りましょうよ」
『ごめんなさい、大丈夫だとは思うけれど...何かあると困るでしょう？』
「私を疑うの？」
『違うわ、普段から。すぐに逃げられない場所はダメなの』
お嬢様の処世術、
きっとこの人にもわかっているはず。
「...どうして、」
引かないのね、そんなにも私のことを痛めつけたいの？
『あなたが、中の人に脅されてるのかは分からないけれど、』
「、」
目を見開いた、どうして、ってうろたえてる。
ついでに中もざわついてる。
『時間切れなの、杏菜から連絡が来たから帰ります』
これだけ言ったら、引くだろうと思って、
何も警戒せず背を向けたのがいけなかった。
『っ、』
「入ってよ！」
足音もなく忍び寄られて、
背後を取られた。
『助けて！』
とっさに、叫びながら、手探りでＳОＳのボタンを押す、
瞬時には助けは来ない、
最短で杏菜、あの子は、大野の妹。
父親に、グループのホテルを任せてる。
下からここまでは遠回りしなきゃだから1分ちょっと、
時間稼ぎをしなきゃ、それだけの時間。
引きずり込まれながらそんなことを考える。
中に転がされて、
顔を上げるとたくさんの人。
予想してたのは、5人くらいだった。
だけど、パッと見ただけで1クラスはいそう。
逃げられない、
「ねぇ、先生と何していたの？」
「ああいうの、目障りなの」
何か、返さなきゃって思うのに、
声が出ない、こわい、
視界が、影で覆われる、
「消えてよ、」
とっさに目をつぶった。
もう、ダメ
「A！」
ドアが開く音、
あぁ、助かった、って思ったら、力が抜けた。
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あきんこ(プロフ) - ゆかりさん» 先生照れちゃいますよ(笑)いつも見ていただいて嬉しい限りです。 (2018年9月12日 17時) (
レス) id: 11450d0470 (このIDを非表示/違反報告)
ゆかり - 櫻井先生大好きです (2018年9月12日 10時) (レス) id: 8447f08366 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あきんこ
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=akinko0125
作成日時：2018年9月5日 19時
