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36話 本音 ページ38

L「夜神さんの言う通りですね。
キラは、まったく不幸な人間です」

月「そうだね。父さんにもしもの事があったら、
…僕がキラを、死刑台に送るよ」


Aは、途端に息が苦しくなる。

なんで誰も分からない?平和な世界を作る為に、犯罪者を殺すのは必要不可欠じゃないか。
今、こうして犯罪が減ったのも、平和な日常を送れているのも、Ωの人々が生きやすくなっているのも、ぜんぶ、全部キラの、

私のおかげでしょうッ…!?



「…本当にそれでいいの?」

月「え?」


そう呟けば、月と総一郎とLが、Aの顔を一斉に見た。
それでもAは臆さず、平然と話し始める。


「だって、キラのおかげで今、日本は平和じゃん。キラが居なくなったら、また犯罪が増えるよ」

父「A…何を言っているんだ!?」


総一郎に掴まれ、思いっきり肩を揺さぶられても、Aの意志が変わることはない。
Aは鋭い目付きで、父に反論した。


「だって本当の話じゃん!多少の犠牲を払わないと、平和な世界は作れない!キラはそれを、誰よりも分かってるよ!」

父「A!!お前は何をふざけたことをッ…!
キラは人を殺しているんだぞ!!散々殺しておいて、それが、それを正当化するなど…ッ!」

「犯罪が減って、多くの人がキラを必要としてるのも事実でしょ!!実際、Ωを狙う犯罪だって、減ったじゃん…」

父「!!」


Aのその言葉に、父は大きく目を見開いた。

社会でも非常に弱い立場であるΩは、事件の被害者であっても、泣き寝入りをすることが多い。
それは、数々の事件を担当してきた総一郎が、嫌なほどに見てきた光景だ。

しかし、キラが出現してからというもの、Ωを狙う犯罪は急激に減り、Ωの社会的立場を、改めて人々は考えることになる。
自分たちの人権に、Ωが堂々と声を上げるようになっていったのだ。


AがΩだと知っている父は、Aの気持ちが痛いほどに分かる。
総一郎は怒りを沈め、Aに語りかけるのであった。


父「…お前が、キラに縋る気持ちは分かる」

「…」

父「だけど父さんも必ず、お前が生きられるよう努力するから」

月「…?」


事情を知らない月が首を傾げると、先程まで荒れた様子であったAが、力なく父に抱きついた。

それに答えるよう、総一郎も、Aをそっと抱きしめ返した。

37話 拒絶→←35話 Lの正体



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設定タグ:デスノート , L , オメガバース   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:あっきー | 作成日時:2019年5月1日 12時

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