32話 喫茶店 ページ34
月となら喜んで行くのだが、この男も付いてくるのなら、私は行かない。
Aは一秒たりとも、男の側に居たくはなかった。
「コイツがいるから行かない。二人で行ってきたら？」
月「まぁまぁ、そう言わずに」
「行かないってば！」
L「さぁ、行きましょうか」
「おい！！」
月に腕を引かれ、図書館を後にする。
流河と良い友達になれるよ！なんて意気込む月にAが反論すれば、"だって、Aの双子である僕が、流河と仲が良いんだよ？"と嬉しそうに月は言う。
その瞬間、Aは何も言い返せなくなった。
◆◆◆◆◆
月オススメの喫茶店に着いた。落ち着いたBGMに、店内はレトロな雰囲気が漂っている。
いい感じの喫茶店だとAが見渡せば、向かい側に座っていたLが視界に入り、気分が落ちていくのを感じた。
相変わらず、Lはいつもの体育座りで、注文したコーヒーに大量のシロップを入れている。
Lの行動に思わず顔をしかめると、LはAを見て、シロップを差し出してきた。
L「Aさんもどうぞ」
「いらない」
L「はい」
「だからいらないって！」
シロップを入れる方が好みなのだが、Lの気遣いを無駄にしようと断ると、コーヒーにシロップを入れられた。
AはLの勝手な行動に怒りつつも、飲む手を止めることはない。
そんな二人の様子を、月は微笑ましそうに見守っていた。
月「ははは。二人とも仲良いなぁ〜」
「はぁ！？偽Lと仲が良いワケないじゃん！」
L「夜神くん、よく分かっていらっしゃる」
Aが睨んでも、屁とも思わない様子のLはコーヒーを飲み続けている。
その態度も、Aをイラつかせる要素の一つだ。
L「さて、いきなりですみません。失礼とは思いますが、夜神くんとAさんの推理力を、テストしてみてもいいでしょうか？」
「はぁ？」
月「推理力テスト？」
推理力テストの言葉に、Aは否定的な反応を示したが、月は面白そうだと声を上げた。
やらないといった意思を込め、AはLから視線を外す。
L「Aさん」
「やらないわよ」
月「…A、ちょっとやってみようよ」
「…」
月「きっと面白いよ、ね？」
…そんな顔をされては、とても断りづらい。
Aは身内にとても甘かった。
渋々といった様子で、AはLに視線を戻す。
「…月が言うなら、やってあげる」
L「ありがとうございます、では、こちらをご覧ください」
Lは自分のポケットを探り、三枚の写真を机の上に置いた。
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作者名：あっきー | 作成日時：2019年5月1日 12時
